瞬間停電じゃない!




11/12/**記
二日間の停電騒ぎの決来はバカバカしいものだった。

フィリピンではしょっちゅう起こる瞬間停電、知っている人も大勢いるだろう、こちらではチョット強い風がふいたり、チョット強い雨が降ったり、すると極まれな時を除いて停電する、何も無いのに停電するときがこれもしょっちゅう有る、瞬間的に約1秒か2秒停電して直ぐ又戻る、これが瞬間停電、UPS(無停電電源装置)など準備していない私のパソコンにはこれが怖い、ならばUPSを取付ければよいのだが、それ程のデータが有るわけでもないし、最悪ハードディスクがやられる位だから3台のバックアップ・ハードディスクで対応している、しかし今まで瞬間停電が原因でOSは壊れた事は有っても一度もハードディスクが壊れた事は無い。

そして又も(正確にはこれを書いている2日前の午後1時位)瞬間停電、クーラーの電源とパソコンの電源を入れ直すと『パチッ』又切れた、暗闇の中で待つ事数秒・・・、しかし電気が戻らない、外へ出てみると瞬間ではなくシッカリ停電している。停電は英語でblackoutと言うが、フィリピンでは皆ブラウナウト(brownout)と言う、辞書によると、灯火管制; 電圧低減; 電圧低下; 点灯制限などとなっている、戦時下の言葉がそのまま残っているようだ。

『土曜日でお客が多い日なのに困ったな〜』っと思いながら隣の安ホテルを見るとなんと、電気がついている、『あれ!おかしいな?ここだけ停電か?それとも電気を止められたか?イヤ金は払って有るからそんな事はないし電力会社が止めに来てもいない、じゃあどうしたんだ???』その時メーターからビビビッと音がして青い光が見えた、しばらくしてもう一度ビビビッ、その後ウントモスントモ言わなくなった。

私のショップを背にして右隣が安クラブ、左隣が安ホテル、安ホテルの方は私と同じ回線の電気であるが、安クラブは違う回線、もし私の所が停電になっても安くラブは停電にならない、ここはパラニャーケ市の縄張り、しかしこの辺はパサイ市とパラニャーケ市の縄張り争いが激しく、回線が入り乱れている、多分私のところはパサイ市の縄張りだろう事はここと同時に停電する箇所がかなり少ない事で解る。

しかし今日の停電は困った、日本では東京電力はこちらではメラルコ(Manila Electric Company:MERALCO、メラルコ)かなり評判の良くない電力会社、どんなに沢山無駄使いしても絶対に赤字にならない会社である、赤字の分電気料金を上げてくる、今日本の電力会社の実態が暴露され騒ぎになっているが、どこの国の電力会社も同じようなもんだ、所でやっぱり困った、今日は土曜日で月曜日までメラルコは来ない、日本だったら東京電力は土日でも来るのかな?。

ここはパラニャーケ市のバクラーラン地区、ここの長、バクラーラン地区バランガイキャプテンは、実は今借りている店舗の大家でも有る、色々便利に事を運んでくれる、今回もお願いした、人は直ぐ来たが『メラルコではないので鍵が無いから出来ない、今から連絡して今日の夕方までには来る様に言って置くから心配しなで大丈夫』っと言われて私の心の中では『コリャだめだ』ッとつぶやいた、こういう事を言う奴は全て嘘の塊、まず月曜日まで来ないであろうと考えた。

もう一回キャプテンに電話、答えは『メラルコには明日、日曜日の午前中行かせるように言ってあるから安心して下さい』そして次の日の日曜日、午前中どころか午後5時になってもメラルコからは人も来なければ連絡も無い。又キャプテンに電話『今日はだめで明日一番に行くとの事です』バランガイキャプテンはとうとう役に立たなかった。

電気の無い二日間乗り越えたのは2馬力のジェネレイターのおかげ、こいつは2006年9月マニラを襲った大型台風、ミレーニョ〔Milenyo〕に直面した時、数日間の大停電が予想され急遽キャポで買ったもの、元気で今も活躍してくれている。

そして月曜日の朝、午前8時に起きてメラルコの到来を店の入り口で待っていた、それから15分後開店の準備でカロイと同郷ビコール出身のティオが起きてきた、彼はオットリした性格で皆から慕われている、メラルコはまだ来そうもないので、隣のクラブを挟んだ2件目で今改装工事をしている、元レストランをランドリーに改装している、ランドリーと言ってもそこで洗濯するわけではなく、洗濯物預かり所のようなものだろう、それをしばらく見て帰ってきたら、なんと驚いた事に電気がついている。

下の写真、ノイは以前私を裏切ったがいつの間にか又私の傍に来ている。

『いつメラルコが来たんだ』っとティオに聞くとまだ来ていないと言う、じゃあどうして電気がついているんだ?ティオは『元のブレーカーが落ちていたんでそれを入れてみたら電気がついた、メーターもビビビっていわない』ナンダソリャ!たったそれだけか?なんで二日間もいらいらしてたんだ?

メラルコが来たのは私が丁度出かけていて留守をしていた午後3時を回った頃だと言う、朝一番に来るといってたのに・・・フィリピンは全てこんなもんさ。 そして電力供給不足だからメーターを大きいのに取り替える必要がある、金額は3万ペソだとヌカシて帰っていったそうである。