話はここから始まります
2011/12/**記
さあッ、何から書こうか、と迷ってしまう、しばらく更新していないので書く事がいっぱい有り過ぎて整理がつかない。でもまずは現況報告などしなくては話が始まらないし、始まっても理解できないかも知れないので掻い摘んでご説明。
フィリピンのマニラにパラニャーケと言う地域が有る、マニラが日本で言う東京都に当たるならパラニャーケは渋谷区、港区などの区に当たる、そしてその一角、大きな教会の周りに出来た、言ってみれば門前町で古い歴史を持つバクラーラン(BACLARAN)と言う色々な意味で有名な町がある、場所は本文にもよく出てくるフィリピン国内、国際空港の直ぐ近く、ビリアモルゴルフからも10分程度の所、しかしこの町有名なのはマニラだけではないフィリピン中から人が集まるほど有名な町である。
その多くの人達は無数の問屋がひしめき合い安さを競っているこの地区へ商品を仕入れに来る、豊富で安い商品を求めて時には20時間以上も掛けて足を運ぶ地方の商店経営者達、空港は近い、マニラの有名な鉄道、マニラを東西に走るLRTと南北に走るMRT、2本の電車の始発駅でもある。しかしフィリピンで最も利用されている交通手段は電車ではなくバスである、そのターミナルが数え切れないほどバクラーランの周りにあり、フィリピンのありとあらゆる場所から人をかき集めてくる。
ただバクラーランの有名なのはそれだけではない大きな通りのメインストリート、キリノ通りの1本裏道の環境はフィリピン屈指の悪さ、ありとあらゆる悪の温床でもある、泥棒、スリ、置き引き、婦女暴行、傷害事件は日常茶飯事、大麻やシャブもキャベツ1kg分で買える様な天下にとどろく程有名な下町である。
私が初めて此処へ来たのは30年も前の事であるのにその時の驚きを今でもハッキリと覚えている、マイクとだけ記憶が残っているフィリピン人と一緒だった、私が彼から受けた忠告は『財布は一切持たないで必要最低限のお金だけズボンの前のポケットに入れ時計等ははずして置く事、誰に声を掛けられても知らん顔している事』.
こんな事だった『そんなに危ないところなのか?』と心配顔で私が聞くと『普通にしていればなんでもないが、用心のためだ』ニコニコしながらマイクはそう答えた。
今(2011年12月)1ペソ2円以下であるが、1975年の当時は1ペソ30円から35円程であった、今は200ペソ札、500ペソ札1,000ペソ札があるが当時は100ペソ札が一番大きな紙幣で、普通の労働者の1週間の賃金が100ペソ位、バクラーラン辺りの出店1日の売り上げに匹敵するほどだったと記憶している、そんなに大金の100ペソ札である、これで買い物をするとほとんどの店ではつり銭が用意されていなかった、それを知らない私はある時100ペソ札ばかり10枚(35,000円)持って1枚5ペソのTシャツを買いにバクラーランへ行ってとうとう買えずに帰ってきた思い出が有る。
しかしその後は何十回もバクラーランへ足を運んで買い物が出来なかった事は一度もないし、危ない目に合ったこともないが、その時でさえ将来フィリピンで商売する事さえ考えていなかった私が、まさか自分でこのバクラーランに店舗を出すなど思いもよらない事だった。
問屋街はLRTバクラーラン駅の近くに群れて有る、この地域は例えて言えば『上野のアメ横』、行った事がなくてもテレビで年末中継もするほど人が込み合って有名な所だから大概の人は知っている、ここはその年末位の込み方が毎日続いている。私のショップは駅から問屋街を抜けキリノ通りの結構立派な商店街を抜けた所、エアポートロードとキリノ通りの交差点近くに有る。店を探す時車の客が多いであろうと思い駐車できる所を選んだのは間違いで、もっと駅寄りの場所を探せば良かったと今では後悔している。
フィリピンで最初にマカティで開店した店は職業柄からゴルフショップ、2店舗目から4店舗目までは全てセブでこれもゴルフショップであった。そして2009年11月にバクラーランにオープンした5店舗目がオーディオ&コンピュータ・ショップENTERである。『チョット見』薄汚いような店先だが、この位がバクラーランでは丁度合っている、立派な店では値段も高く見えて人が寄り付かない、しかし内容は結構充実している、小さな店だがノートパソコンをメインにして商品展示は常に100点以上は有る、在庫量も最近は安心出来るだけの台数は揃ってる。
私は有る時期を境にしてゴルフに興味が持てなくなっていた、ティーチングだけはしばらく続けていたがそれも止め、今では全くゴルフとは縁がなくなった、セブのゴルフショップの処分も考え中である。今あるゴルフショップがセブでなくマニラに有ったらまだゴルフは続けていたかも知れない。
1階が店舗、キッチン、4畳半程の小さな部屋が2つ、トイレ兼シャワールームが3つある、2階が私の住まい10畳程の部屋が2つ、トイレ兼シャワー室が1つそれに今は従業員の部屋として使っているが、8畳のリビングルームが有る。
これから此処を舞台に展開する物語は多分今までに経験した事が無いばかりか、これからも経験できないで有ろう事がたくさん出てくると思います、ご期待下さい。
下の見取り図は一階店舗です。