目から鱗の飛ばしの秘密 2


2、飛ばしの3要素『レイトヒッティング』

『レイトヒッティング』と言う言葉、1度や2度は聞いたことが有ると思う、正しい英語かどうかは問題ではない、要するに『クラブヘッドがダウンスウィング時にグリップよりも遅れてきてインパクトを迎える』っと言う事。

これが飛びの秘密に大いに関係が有る、っと言うよりも、これ無しには飛びの秘密は語れないので、まず最初に『レイトヒッティングとは何か』そしてレイトヒッティングの効果とはを説明する。

スウィングの一部ではなく形を作っただけの写真Hではあるが、ぎりぎりまで手首をトップの形のまま我慢している、これを『タメが有る』という、写真Iは『タメが無い』、グリップの位置は同じである事に注目して見よう、ここのグリップの位置から、インパクトの位置までグリップが来るのに掛かる時間を、仮に0.01秒掛かるとする
HもIもこの値は同じである、違うのはその間に動くクラヘッドの距離、おおよそHは2m、Iは1mである。

もう解った!と言う人が居ると思うが、同じ時間で距離が2倍動けばヘッドスピードは単純でも2倍である、これが飛ばしの秘密の一つ、それがレイトヒッティングである。

次に、それでは『レイトヒッティングは如何すれば出来るか?』を解り易く解説する。

自分で釘を打つ時を思い出して見る、手首を固めて打つ人はまず居ない、腕全体を鞭の様に使い、手首を柔らかくして打つ、それでも素人が釘を打つと、100本も続けて打った後には腕が痛くなる、所が大工さんは一日に数千本もの釘を打つ事が有るそうだ、釘の大きさにもよるが、一寸(3cm位)ほどの釘ならスピードは1分間に20本位打つと言う。

もし早打ち競争をしたら、賞金の大小にもよるが、多分倍は打てるかも知れない、叩く回数は1本の釘で2回、見ていると殆ど手首だけで打っている、釘だけ打っていれば計算上1時間に1200本である、
無駄な力を使っていては直ぐにバテテしまう、大工さんが疲れないで効率良く力を釘に与えているのはゴルフでよく聴かれる『レイトヒッティング』をしているからである。



レイトヒッティングのキーポイントは手首のスナップを使う事に有る、スナップを上手く使うには如何すれば良いか?まずクラブヘッドが自由に動けるようなグリップにする、言い換えれば自分でコントロールしてしまわ無い様に、手首がクラブの重さと遠心力に任せた、自由勝手に動くグリップにする事が大切。

手首が硬いと言う事はグリップに力が入り、イヤでもクラブを操る形になってしまう。

実験である、右手でも左手でも良い、手を団扇代わりにして顔を扇いでみる、手首が自由に利いて風が顔に当たって気持ちが良い、次に同じ手でじゃんけんのグーを作り、思いっきりキツク握って同じく顔を扇いで見る、まるで自分で自分を殴っている様で、とても手首が自由などと言えない。

断って置くが、この実験は一人でコッソリやった方が良い、他人の見ている所でやると頭の中身を変に勘ぐられる。これでグリップをキツク握るとクラブヘッドが自由に動かなくなる事が解った?。はずである。
それではいったいどの位の強さでグリップしたら良いのか?。

以下は以前HP本文(URL)に書いたものを引用する。
グリップの握りの圧力を例えて良く『生卵が潰れない位』とか『小鳥を絞め殺さない位』とか言うが、本当の生卵でグリップを作った奴も、生きた小鳥でグリップを作って打った奴も見た事も聞いた事もアリャしない、



本当に実験したら、生卵が10個潰れたで有ろうと、小鳥が100羽死だで有ろうと、本人は『そんなに強く握ってなんかいない!!』っと言えば証拠が無いから『そうですか』っと言わざるを得ない。

私は違う、卵が割れて手にグチャグチャにくっ付いたり、生きた小鳥を殺したりしないで、同じ効果を上げられる、まず、本当は卵を握り潰しているくせに『絶対卵を割らないで持っている』っと言う頭の固い彼らに問題を出す、但しその前に実験をする。

実験の方法は色々有るが、例えば右の動画の様に、クラブフェイスを空に向けてクラブを持って目をつぶって貰い、私がフェイスにボールを軽く落とし、フェイスの何処にボールが当ったか答えて貰う、ボールをトウ側やヒール側に落とす、実験者には先ずうんとキツク握ってもらい、次にうんとがゆるく握って貰う、きつく握っていた時には解らなかった打点が、ゆるく握っていた時には必ず正確な解答が帰ってくる、100回やって100回正解するが、。

次にパターでボールを打って貰う、最初はトウ側次にヒール側、そして目をつぶって打って貰い答えを言って貰う、これも100%正解する。

これからが本番、次に7番アイアンを持ってショットして貰う、フェイスのどの部分に当ったか正解を出せるアマチュアは殆どいないが、もし卵を割らないようなグリップして居れば必ず判る。クラブでボールをヒットする衝撃は軽くボールを落とす何百倍、いや何千倍もの衝撃が有るからだ、にも関わらず判らないのである。
これが私の方法、フルショットしてフェイスのどの部分にボールが当たったか、判る位の圧力が適度なグリップの握り方と言える。

次にトップ・オブ・スウィング(トップ)からダウンスウィングへの切り替えしを想像してみる、本当の意味での切り返しの時期はトップの位置に手が収まる一瞬前に始まるものである、これはクラブフェイスが下向きの力が働いている内にその力を利用して切り返しのスタートをする事により、クラブヘッドを遅らせながらスウィングする、レイトヒッティングをし易くする為である。

クラブが動き出すのも決してクラブヘッドから先に動くのではなく、グリップから動き出す、もっと詳しく言えば切り返しのスタートは左の腰から始まる、それに釣られてイヤでも右肩がさがる、そうするとクラブの重さに絶えられなくなって腕が下りて来る、決して手が下りて来るイメージを持つのではなく下りて来てしまうのである、タイガーの左の写真と右の写真を比べてほしい、クラブヘッドは殆ど同じ位置なのに下は明らかに左腰は左側へのスライドが始まりダウンスウィングは始まっている。

トップで作ったその形のまま手が下りて来ている、
イヤ!下りて来ている様に見える、が、形はトップのままである、これはもう少し先で詳しく説明する。腰が先にスタートする事で後で述べる、左サイドの壁を作る準備をする訳で有る、この件に関してはここでは割愛して『左サイドの壁』で詳しく説明する。

その時の右手が肝心である、『トップで作った右手首の曲がり(タメ角)を解かないように』注意するのである(下のビジェイ・シン写真参照)、言い換えれば右手を使わない様にする事が肝心で有る、使えば手首の曲がりが解かれてしまう、右手を使うのはもっと後、これによりクラブヘッドが早く降りてくる事を防ぐ(写真G)。

っと言っても人間は何も使わないっと言う事が苦手、その時右手はどうすれば使わなく出来るか?、言い換えれば使わない使い方が有るか?有るのである。見腕の肘を意識して、肘だけを体の中に入れて来る感覚を持つ様にする、このドリルは右手だけでクラブを短く持ちトップの形を作る、そこから腰を左に移動しながら(回転させてはいけない)腕を伸ばさないで肘を体の前に押し込む動きをする、実際には身体は左に移動しているから押し込む事は出来ないが・・・・、そしてクラブの重さに耐えられなくなった時自然に腕が伸びてくるはずである。

それからそのまま右手首を我慢しつつインパクト時に一気に解き放つのだが、ここで注意が3つ。
一つはインパクト時点で右腕は伸びきっていない事、
もう一つは腰を左に移動する時、頭はアドレスの位置から動かない事、そうすれば自然に右肩が下がる状態に成り腕は勝手に動き出す。
さらにもう一つは腰が左一杯に来た時、左ひざはシッカリ伸びている事、これが緩んでいては後で述べる左サイドの壁は作れない。

その他にもレイトヒッティングの感覚を言葉で表現する方法としては色々言われている
『ダウンスウィングはグリップを真下に引いて』
『タメを作って手首を解くな』
『クラブヘッドはトップに置いて来る』
『グリップは緩く、スウィングは鋭く』
『スウィングの音は身体の左側で鳴らせ
『トップの腕とクラブにできる角度を変えないでダウンスウィングする』
など、全て言っている事は同じ。

それでは右手は全く使わないのか?っと言うと、勿論そんな事はない、大いに使う、それでは
『右手のどの部分』を、『どのタイミングで』、『どうやって』使うのか?次にこれを説明する。

『右手の使う部分はどこか?』
これはグリップを抜きには解説出来ない位大いに関係が有るので詳しくは(正しい手の肉刺、豆、まめ、マメ)を参考にして頂ければ解るのでここではその抜粋で話を進める。手にクラブのグリップが触れている所、言い換えればグリップを持っている手の部分、
ここに肉刺(マメ)が出来る、そしてそのまめが出来た所に力が加わっている訳である、マメの出来方でレイトヒッティングが出来ているかどうかの判断材料にもなる。

グリップを軽く握る事もそしてその理由も説明した、どの位の力で握れば良いかも具体的に解った、それではいかに効率よくレイトヒッティングの出来るグリップを作るか?っである。

グリップの方法はどれが良いと言う物ではないが、レイトヒッティングを覚えるのにはフィンガーグリップをお勧めする、理由はスウィング中に余分な所に力が入らず、クラブの自然な動きを一番邪魔をしない、クラブが自由に動くのに都合が良い握り方だからである。

以下は私の別の(URL)からの抜粋。



《これは簡単に体験できます、左の写真3のようにインパクトの形を造って下さい、右手は殆ど使わないのが実感出来ます。

そしてインパクト方向に少し力を入れながら持っているクラブから使ってなさそうな指を1本ずつ離して行きます、最後に残った指は右手は人差し指の横腹(写真では見ずらいですが右掌にグリップは触れていません)、左手は小指と薬指になるはずです(右写真4)。》

これで解るのは力を使うのは右手全体では無く『右手の人差し指の横腹』を使っている事が解る、勿論腕、の力を使う事は言うまでも無い事だが。 『使うタイミングはいつか?』 実はこれがレイトヒッティングの一番難しい所、結論から言うと、この『右人差し指の使うタイミング』が遅ければ遅いほどレイトヒッティングの度合いが大きくなりヘッドスピードが上がる分けである、一人一人使い出すタイミングが異なる。

写真左(ビジェイシン)と右私を比較して見れば一目瞭然私の場合は力が無いのと、リストの弱さから8時の地点ですでにタメが解けてしまうが、ビジェイシンのタメは7時の地点でもまだ下の写真のトップの角度
(腕とクラブで出来る角度、タメ角)を保っている。 これで一人一人の『右人差し指の使うタイミング』が異なる事が理解できる。

言うなれば出来るだけタイミングを遅らせる方が良いが使う時期はインパクトからフォローに掛けてである。
文頭の『最初に』で『難しい』と言ったのはこの辺の事を言う。 『どの様にして使うか?』 実際には『右手の人差し指の横腹』を使うと言っても指その物を使って何かをする、っと言う事では無い。

確かにクラブに接触している点は『右手の人差し指の横腹』であるが、本当に動いているのは右ひじ、これが伸びて行くのである、もう1度ビジェイシンの左写真を見てもらうと、この時点では右肘は曲がっている、タメ角がトップの形のままなのだから、右ひじもトップのままである、クラブヘッドの重力と遠心力のパワーで堪え切れなくなった時点でリストターンが始まる、それと同時にタメ角が始めて開き始め、それと同時に『右手の人差し指の横腹』を『押す様に』これ以外に表現の仕様が無い、『押す様に』使うので有る。


これを自分で体験出来るドリルを紹介しよう、 まずアドレスで右手の親指をはずしたグリップを作る、そんなに難しい事では無い、元々親指は使わない(そう考えて良い)指である、この形でスウィングがし辛い人は間違いなく右手親指を使っている、何度か素振りをすれば実際にボールを打つことが出来るはずである。

それが出来る様になったら(10球も打てば出来る様になるはず)いったいどの指が一番使われているかに集中してスウィングして見る、右手人差しが使われている事が体験出来るはずである。

但しトップの形がナチュラルな形から遠く外れている場合は体験できない場合があるので、ナチュラルなトップとはどんな形かを解説して置く必要がある。 以下は(URL)の抜粋。

トップではヘッドのトウ部分に注目する、腕や手に余計な力が入っていなければヘッドのトウ部分は地球の引力の力で真下を向く、クラブフェイスが空を向いていたら、間違いなく右手に力が入っている、そのまま右手を離せばクラブを保持してはいられない。

トップでは(このページのTOP写真のように)左手の親指にクラブの全体重が乗り、小指で支えられる感じが良い、その為アドレスからテイクバックのスタートの時クラブの全体重を左手に感じなければならないのである。これがナチュラルなトップである。 以上述べた様にレイトヒッティングは飛距離を伸ばすのに必要不可欠であり、その理由も理解出来た事と思うが・・・・如何だったでしょう?。
続いていよいよ右サイドの壁の意義と正しい作り方、
左サイドの壁の意義と正しい作り方の説明です