目から鱗の飛ばしの秘密 3





目から鱗の飛ばしの秘密 3
3、飛ばしの3要素『左サイドの壁』

さて次の講義は『左サイドの壁』これも飛ばしの秘密には欠かせないポイントである、っと言っても決して難しい話ではない。

『左サイドの壁』とは?は、HP本文で既に紹介している、ここではそれを引用する。

まず最初に5円玉を50Cm程の糸に吊るし、目の高さに手を持って来て、右手でぶらぶらさせている所を想像してみる、そしてぶらぶらさせたまま、急に左の人差し指を糸の中間位の所へ、ぶらぶらを邪魔する様に差し出した所を想像する、勿論想像だけでなく本当に実験して頂いた方が解り易いが、左の人差し指でぶらぶらを邪魔した瞬間、五円玉の動きはどう変わるかを想像してみると良く解る。 五円玉は急に勢いを増し、指にクルクルと巻きつく事が容易に想像付くと思う。

『この時の左の人差し指』がスウィング中の左肩に当たる(左腰がロックされた瞬間、左肩も当然ロックされる分けである)、そして腕が糸、クラブフェイスが五円玉、これで正しい『左サイドの壁』の意味と飛ばしには重要不可欠な事だと言う事が理解出来たと思う。

以上で解るように、『左サイドの壁』はインパクトの直前に出来る、インパクト後では意味が無い、上左Aの写真はまだ『左サイドの壁』は完成していない、上右Bのインパクトの写真の一瞬前に出来ている、勿論インパクト後でも『左サイドの壁』は崩れなのでフォローの形からでも『左サイドの壁』が出来ているかどうかは解る、出来てない場合は左膝が曲がっているか、外側へ開いた形となる。



『左サイドの壁』の意味を取り違えて覚えている人が居る、元々ある、又は有ると想像した『左サイドの壁』に左腰をぶつけるとの意味では決してない、左腰をぶつけて行く為の『左サイドの壁』その物を同時に作る、っという意味である。

さあそれでは如何したら『左サイドの壁』を作れるか?である。 『左サイドの壁』の完成には身体のいくつかの部分が協力する必要が有る。

関連している重要な身体の部分の働き、この事を抜きでは『左サイドの壁』の完成はできない、重要な身体の部分、左膝の頑張り、右肩の頑張り、左腰の動き、右足のフンバリ、それに伴う体重移動(正しくは重心移動と言った方が良いが、私はもっと誰にでも解り易く体重移動と表現している)、である。


『左サイドの壁』はこの『左腰』、『左膝』、『右肩』、『右足』、『体重移動』の総合協力により完成する事を理解して頂きたい、それぞれの動きを解説する前に、『左サイドの壁』を作る身体のメカニズムを知って置く必要がある。

『左サイドの壁』を作るにはっと言ってもこれは瞬間の動作である、時間にして0.01秒、考えていて出来る程の長さではない。

最初に左膝をロックさせる、すると次に左腰がロックされる、その時体が回転運動をしてはロックできない、その回転をロックする役割をするのが右肩と右足である、スウィングはアドレスからフィニッシュまで回転運動の様に思われがちで有るが、実は全てが回転運動では無い、最初は右から左への体重移動が有って、次いでクラブヘッドの勢いで身体が回転する事を間違えない事が大事、他の教科書に何と書いて有ろうともこれが私のスウィング理論である、又右足は蹴る動きをしていると思っている人も多いようだが、それは全く逆、体の回転を押さえるために踏ん張るのである、そうすれば右膝を送ったり、曲げたり、緩んだり、況や蹴ったりなどしない事がタイガーのAの写真を見れば解る。。

それでは身体のパーツ毎の動きと役割をタイガーと私の写真をモデルに説明する。

『左腰の動き』

左腰がインパクトで開き過ぎてしまっては『左サイドの壁』は絶対に出来ない、インパクトを過ぎフォローの時点ではまだヘソはターゲット方向には向かない(タイガー写真A)、と考える、ここがスウィングは回転運動では無い(Bから@に移る間、腰は殆ど回転していないのが判る)と言う謂(い)われである、体重(重心)は最初に右から左への平行運動から始まり、クラブの勢いで身体は回転される、くどい様だが重要な事である、ここで十分注意する点は身体は『回転する』のでは無く、『回転させられる』のである。

左腰を身体の左側真横に突き出し(実際にではなく、真横のつもり)、左側のに勢い良くブツケルのである、その力を受け止めるのが左膝である。
余談だがこの力は物凄い衝撃で、とうとうタイガーの左膝は疲労骨折で壊れてしまった位である。

『左膝の働き』
左サイドの壁を作る基盤と言って差し支えないこの左膝が、スウィング中左側へ激しく移動する左腰と全体重を受け止める(写真A)、と同時に右肩と協力して左腰が早く回り過ぎるのをロックする役割がある(B写真の右肩に注目)、
その為には膝の緩みは一切許されないと思って正解、左膝はピンと張っていなくては外側へ身体が流れ、回転してしまう、その際右足も協力するため、踵が早く地面を離れない様注意する。

『右肩の働き』
身体をスライドさせるのには回転運動を押さえなければならない、回転運動を助長する最大の動きが右肩である(私の写真B)、右肩が早く体の前に出る様な動きが出てしまうと、左膝や右足が頑張ってもスライドは出来ず直ぐに回転が始まってしまう、これでは『左サイドの壁』は作れない。

右肩が早く出る原因は主に右手主導のスウィングが元凶となる、しかしもうそれは無いはずである、なぜならば前項でレイトヒッティングを会得しているからである、その為にレイトヒッティングを先に理解して貰った。

言い換えるとレイトヒッティングが出来れば右肩の頑張りは作り易い、その上で右肩の頑張り方を解説する。

右肩は止めようと思っても止まる物ではない、後ろにオモイッキリ引く位頑張らなければ駄目である、左腰は左に勢い良く動き、クラブヘッドはそれに釣られて一気に加速している、そして全く逆の動きをしなければ成らないのが右肩である。
実はこれがマンブリの元、此処に目イッパイの力が必要である、背筋力の強さが頑張りの元、タイガーもこの動きには歯を食いしばって力を入れている。

右肩が早く出る原因は前項で述べたが、実はもう一つ有る、頭の動きがそれ、頭が左に動いては全てが壊れる、ヘッドアップとかルックアップと言われ、スウィング造り上では基礎の基礎のその又基礎である。

完璧なレイトヒッティングが完成しようと、後で説明する『右サイドの壁』が完成しようと、どんなに素晴らしい理に適ったスウィングをしようとも、頭の動き(タイガーのB、@、Aに至る間の頭の位置に注目)如何(いかん)によっては、ぶち壊しである。

頭が動けば身体が動く、身体が動けばスウィングは崩れる、そうすればスウィングプレーンが自ずと乱れ自分のスウィングは絶対出来ない、早く動きすぎる右肩があごを押す、頭が動くから右肩が早く前に出る、右肩と頭は相乗効果を起こす、どちらが先でも駄目である。

どちらも落ち着いていなければスウィングは必ず乱れる、頭は不動と心得る事は当たり前で、スウィングを覚える以前の事であるのに、余りにも蔑(ないがし)ろにされている。

『体重移動』 (上右のタイガーと私の比較写真参考)

正しい体重移動は自然に出来るものではない、なぜなら、ただ体重を移動すれば何でも良い分けではないからである、想像してみてほしい、頭の位置はアドレスの位置から動かないで体重を左に移すとどんな身体の形になるか?これが『左サイドの壁』に左腰をぶつけた状態なのである、私が言う体重移動といっているのは重心移動と同じ意味だ、っと言うのはこの事で、実際には体重が移動するのではなく、後で解説する『右サイドの壁』に有った重心が『左サイドの壁』に移る(左足に移る)事である。

体重移動の主役は腰、腰のスライド移動により体重を右から左に移動させる、その時の頭は不動、そうすると自然に写真のようなフォローが生まれる。プロのスウィングと言えども同じ様なスウィングのプロを探すとするとかなり苦労するが、フォローの形は皆良く似ている、っと言うよりもこの形に成らざるを得ないのである。


4、飛ばしの3要素『右サイドの壁』

さて覚えて置きたい飛ばしの秘密の第三は『右サイドの壁』である。
『左サイドの壁』に対するかの様に言われる『右サイドの壁』だが、実は全く異なった動きで双方の関連性はほとんど無い,それぞれ独立した違った働きと動きをするが腰の回転を抑える意味では同じである。。

トップを造る際、上半身をギリギリまで捻り込む、その時左腰は出来るだけ回らない様に頑張るこれを『右サイドの壁』と言う、右膝を不動にする事でそれが可能になる、限界まで捻り込まれた上体はダウンスウィングで一気に解かれる。

そのパワーがヘッドスピードの源である、捻りが大きければ大きい程、戻りの反発力は強い、強ければ強い程、スピードが付く、それを一気に『左サイドの壁』にぶち当てて行く。

右膝は、前、後、左、右、上、下、何処にも動かさない、アドレスからトップまで不動で頑張る事が最重要、左肩が顎に下に来るまでが目安だが、最初の内は右膝が動いているかどうかを鏡などで確認しながら練習すると動いているかいないかが良く解る。

しかし厳密に言うと右膝はほんの少し動くのである、テイクバックの時右にスライドする動きがほんの少しあるのだが、決して右膝が外側に割れる(開く)動きではない、これはアドレスからトップに体重移動する為に必要な動きで極自然な動きである。

最後に冒頭に書いた、『飛ばしのスウィング、一連の動作』を短く解説したものをもう1度読んで頂いて、第一回『目から鱗の飛ばしの秘密』の講義を終了します。

『アドレスではグリップはクラブヘッドの動きを邪魔しないように軽く握る、テイクバックからトップに掛けて右膝は不動のままで『右サイドの壁』を造る、上半身をギリギリまで捻り込み、左肩は顎の下まで来る、その時左腰の回転は45度以上は回らないように頑張る。

ダウンへの切り返しはクラブヘッドがトップの位置に入る直前に左腰のスタートで始まる、その時のクラブと腕で出来たタメ角を保ったまま『レイトヒッティング』の形(トップの形)を崩さずダウンスウィングに入る、左腰をスライドさせながら、左膝で造られた『左サイドの壁』に向かってぶつけて行く、と同時にクラブヘッドの重力と遠心力のパワーで耐え切れなくなった時点でリストターンが始まりクラブヘッドが動き出す。

ここで始めて右腕を一気に伸ばす動きが始まる、タメ角を一気に解くのである、右肩は突っ込まない様
後ろに思い切り引く積もりで頑張る。そして強烈なインパクトをボールに与える、その時点で右ひじは伸びきっていない、頭はフォロースルーを迎えて右肩が顎を押すまでアドレスの位置で不動を保つ、右肩と顎はクラブヘッドの遠心力により一緒にフィニッシュへ向かう。』

そして強烈なインパクトをボールに与える、頭はフォロースルーを迎えて右肩が顎を押すまでアドレスの位置で不動を保つ、右肩と顎はクラブヘッドの遠心力により一緒にフィニッシュへ向かう。』

お疲れ様でした。