連載手記『エッペのケツ』騒動記ニ
第一章 エ〜エ!ウッソだ〜!!フィリピン自動車保険会社の醜態
その3 P国、詐欺師保険屋の実態 その4 『エッペのキズ』


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その3 P国、詐欺師保険屋の実態

車は右側が後ろから前までガサガサのグチャグチャのガリンガリンに傷つけられて見るも無残(むざん)、っと言うほどでは実は無かった、確かに前から後ろまでキズは付いていたが、凹みが目立つ程の傷ではないが、フェンダーミラーはヒシャゲられて、ヤットぶら下がって何とか落ちるのだけは堪(た)えている。

これじゃぶつかった時に余り大きな音はしなかったろう事も想像できたし、もう薄暗(うすぐら)くなってきている、誰か見た奴がいりゃあ必ず知らせに来るはずだから、運悪く誰も見ていなかった時にこりゃあ当て逃げされたなっ、と言う事は容易に解った、当て逃げした奴ア絶対フィリピン人だ!イヤッもしかしたら異国人?それもある。

その日は駐車場が満車状態でいつも駐車する場所が開いてない、一番通路に近い所に車は止めてあった。 私のウスノロ運転手ドラは車の状態を見てオロオロしてやがる、何時も大口を叩(たた)いて冗談を言っているがこの時はマジに青い顔になっていた、しかしドラの責任であるはずが無い、本当はいつもの敵討(かたきう)ちで責任をなすり込みたいのは山々なれど、今の奴の顔を見たんじゃ冗談で言ってもシャレになんねえな、大泣きしちまうかも知んねえ、それに四六時中ズーっと車にくっ付いて見ている訳ではねえし。

次の日、保険屋を呼んだ、日系の会社で担当者は日本人、細目で垂れ目、まるで今にも泣き出しそうなキツネっと言った顔付きのチョット頼りなさそうな彼は、フィリピンに来てから10kgも痩せてしまったと嘆(なげ)く、年はまだ30チョイ、神さんと一緒に赴任(ふにん)してきた、見てくれは実にいい!サマースーツでフィリピンを闊歩(かっぽ)してる奴なんてそう探してもザラに居るもんじゃあ無い、おまけに髪なんかシブロクに分けちゃって、日本からたった今着きました、って感じだ。

実はこの垂れ細目の保険屋に決める前に他の保険屋と契約するつもりだったがトンデモない詐欺保険屋だった、ヒトモンチャク有った後で今の保険屋に決めた、どんな詐欺保険屋かと言うと・・・・。 これ以上脱線すると元に戻れなくなるからネ〜、詐欺保険屋の話はどうしようかな〜、又機会が有ったらと言う事にさせて頂けませんかネ〜?いやだ?今聞きたい?早く聞かせろ?

でもね、だんなぁ、今でも脱線しているんッすよオこの話は、ネッ、よく考えてみて下さいよ、本題は『エッペのケツ』の話だ、今は『エッペのキズ』の話に、こりゃぁ行き掛かり上脱線している訳だから良しとしましょうヤ、そりゃ確かにタメに成るし面白い話では有りますがネ、『詐欺保険屋』までは・・・どうも脱線して転覆(てんぷく)まで行きそうだな〜。 しかし、・・・・・そんなに頼まれたんじゃ無下にも出来ないのが私の性分なのを良くご存知だ!ンジャ、サワリダケ、そんでもってハショラセテやらしてもらいます。

今の保険屋と契約したのが10ヶ月ほど前だから、この話は又そこまで戻らなきゃ成らない訳で、こう後戻りばっかりしていると、記憶って奴もだんだんボンヤリして来て半分以上が想像を混ぜた話になって来るだろう、っとお思いの皆様!!、サーお立会いだ、所がドッコイこいつにぁ証拠写真がある、『ざまあ見ろ』っといきまいた所でもうとっくの昔に終わっている話だが。

この保険屋、最初に有った時から何か胡散(うさん)臭い奴だった、変な色のサングラスを掛けて、いつもニヤ付いていやがった、人の目を見ねえで話す癖(くせ)が有る、この詐欺保険屋を私に紹介したのが同じビリアモル所属のプロ、まだ年も40には届かない、そこそこの若い奴、名前はロナルド・パクトレリン、通称ノノイ、背は私と同じで170cmだが横幅は私より広がっている、とっちゃン坊や風でいつもアホヅラのこいつはゴルフも正直言って下手クソだ。

実はこいつは前にも『我が弟子ジャンのプロテスト初挑戦記』で登場して来た、ジャンの叔父さん、以前私のショップを手伝わした事が有る。後で考えると詐欺保険屋とはグルだったかも知れない、イヤッ!きっとグルだ!、甘い顔をチョット見せると追剥(おいはぎ)の顔が表に出てくるのがこの男、油断(ゆだん)も隙(すき)もありゃアしない。

私がそれまで契約していた保険が満期に成り、新しい保険屋を探していた、っと言う事は以前の保険屋に不満があったからで、その話は・・・・しないで置こう。それを知ったノノイがいい保険屋だからと紹介してきた、『私が、何が良いんだ?』っと聞くと、彼の友人で親切な奴だし、保険料も他と比べて高くない、っと言う、しかしこの男の性格は見抜いている、一言で言うとチョット気が利く小悪党ってトコ、仕事をさせるとなかなか良くやるが油断をすると出し抜く。

どう出し抜くかと言うと、奴の常套手段(じょうとうしゅだん)は、私に値引きをさせておいて、客からマージンを取るってやり方、キタネエ野郎である。だから信用なんかこれっぽっちもしていなかった、言い換えれば奴の紹介だからこそ、詐欺に引っ掛からなかったっと言っても過言(かごん)ではない。

さてとまず下の写真の左上の写真だ(ややこしい!)、これは保険契約書の一部を写したもの、英語なんかどうでも良いけど2の項目まで見える、しかし右上の写真、3、の項目が有る、この3の項目、普通に読んだんでは見えない、なぜかと言うとホチキスで2の項目の最後で止めて3を隠(かく)しているからだ、所がこの3がとっても重要な事が書いてある、保険の支払条件だ、『契約金の全額は払わない』っとちゃんと書いてある、ふざけた保険屋だぜ全く。

それから左下の計算書、計算が丁度10,000ペソ違ってる、これは契約書だが右下に有る見積書もヤッパ10,000ペソ違ってた、当然水増ししてある訳だが、フィリピン人は計算が苦手なのを読んでいやがる、飛んでもねえ詐欺保険屋だった、これにはいつもニコニコ優しいお兄ちゃん(言葉のアヤです)でも許せねえ!!。





保険屋を呼びつけてどやしつけてやろうと思って電話した、よしゃぁいいのに電話でチョコっとしゃべっちゃった、それっきり保険屋は来なくなったが、電話は何度も何度もシツコイほど有った。 どうしてだか解ると思うが、契約書を返してほしいと泣きやがる、何たって会社の判が付いた立派な証拠品だ、電話が有るタンビに『取りに来い!』っと凄んでやった、とうとう取りに来なかった、来られる訳あねえや、だから私は今も契約書を持っている。

詳しく話せばこの話もここまで来るまでに色々有って、面白かったがアブネエとこで詐欺に引っ掛かるトコだった、って話だ。 保険屋にはクレグレも気をつけた方が良い、日本だったらこの契約書一枚で大変な騒動になるはずだがフィリピンじゃあ・・・・???ってトコか。

この辺で詐欺保険屋の話はご勘弁(かんべん)して頂いて続きをやらして貰います。
え〜と!どこまでだ!・・・・こりゃ戻って探してこなきゃなんねぇな〜、え〜と!、そうだ日本人保険屋を呼んだんだ。

日本人はヤッパいいね!日本語で話せる!事情を日本語で話すと、相手も日本語で『解りました、出来るだけ早い内に書類をお持ちいたしますからそれに記入して頂ければ、後は全て私がやります』っと来たもんだ!なっ、ヤッパリ日本人が良いや、パッパッパっと事が進まあ。

っと思っていたのは実はその時だけだった。


その4 『エッペのキズ』

 しかし、よ〜く考えてみりゃ私も話を短くまとめる事も出来ない訳じゃないネ、なんでこう何時も長くなっちゃうんだろう?、きっと横道に外れちゃうからだろうが、でも保険屋の話で詐欺保険屋の話はそんなに横道じゃあないよなぁ?いつだったか忘れたがフィリピンに来る時の利用する飛行機会社の話で誰かと盛り上がった、そして気が付くとタヌキ汁の話になっていた、話が途中で切れた訳でも、話題を変えた覚えも無いが・・・。

飛行機会社、フィリピン航空、パキスタン航空・・・・・・・・・・タヌキ汁???今ではすっかり忘れたがたまに(・・・・・・・)は何だったのか真剣に思い出そうとするが、どうしても思い出せないでいつも断腸(だんちょう)の思いで考えるのを途中でやめる。
ついでに、だが。
しかしタヌキ汁、一度は食べて見たい、長年の願望(がんぼう)である、よく、こんにゃく料理でタヌキ汁と言うのが有るが、それでは無くて、本物のタヌキ汁だ、『同じ穴のムジナ』って言葉がある、『同じ穴・・』っていうからには2種類以上は有るはずだ、一種類は言わずもがな、タヌキである、それではもう一種類は何だろネエ?っと思ってググッて見たら何とアナグマだそうである、そして有ろう事か、アナグマは旨いがタヌキはまずいそうだ、そのまずい方を食ってみたい、フィリピンなら山にいそうだし、これは叶(かな)わぬ望みではなかろう、皆の自慢にもなる!?。
『本物のタヌク汁を食う会』でも作るか???。

本題は『エッペのケツ』の話、1年前の事を書いてる、今話してる『タレボソメ(ホソダレメか?・・・どっちでもイイヤ!)の日本人保険屋』はそれより又1年前の話、『詐欺保険屋』の話は又10ヶ月ほどさかのぼった話だ、しかし本人の思い違いがなければ、が条件付だが、今までHPで発表していないから新作である、ずいぶん古い新作だ!。 こんな話がまだイッパイ有る、今している話の3年間の間には、勿論(もちろん)、『エッペのケツ』問題だけが私を悩ましていた訳ではない、その他にも『馬に食わせる』ほど色々な問題を解決して来た。

言うなれば私に取って『問題』、『事件』は日常茶飯事(にちじょうさはんじ)の事だ、知らない人には『ヘ〜!?大変だネ〜!』だが本人はほとんど無感情に成って来てしまっている、これは全く恐ろしい事で有る、これは病気で有る、フィリピン風土病、伝染もする(らしい)文字を伝って・・・ウソですヨ!!、冗談です!!、心配要りません・・・多分ですが!!。

話を戻して・・・。
書類が届くのを待っていたが、次の日も、又次の日も、又又次の日も届かない、とうとう一週間が過ぎた、仕方が無いから電話した、電話に出たのは受付のおネーチャン(オバチャンかも知れない)、顔形を想像して見ると、年齢不詳、頭でっかち、尻つぼみ、厚化粧に、吊り目っ、てとこかな?

英語で何か決まり文句を言って私の言葉を待っている、しかたがねえから数少ねえ知ってる単語の中から合いそうなのを選んで事情を説明した、驚(おどろ)いた事に通じやがった、英語なんてこんなもんだ。

しかし次がいけねえ、今度のネーちゃんの言葉が何て言ったのかよく解らねえ、もう一回イッチくれっと言うと、今度はゆっくり言ってくれた、ネーちゃんの話の中に知ってる単語が幾つか有ったんで、適当に答えたが今度はどうも的外れ、メンドクセエからドラに変わったら急にタガログで話し始めた、相手のネーちゃんがフィリピン人だったのがその時ヤット気が付いた。

私はその昔はこんなに英語が解らなかった訳では無いはずである、米国も加国もイヨロッパも一人で歩いた、フィリピンに最初に来た時も英語で不満は無かった・・・と思う。しかし今はどうだ、タガログばかり使っていたら英語を全く忘れてしまった。しかたがねえ!そんな程度の脳みそしか親父とお袋はコサエてくれなかったんだから、諦(あきら)めよう。

30分後にタレボソメから電話が有った、『どうも済みません、担当者に書類を送るように言って置いたのですが、まだ送られていませんでした、今日必ずお送り致します』まあ、ミスは誰にでもあらあ、待つとすッか。
それから2日後書類は届いた、車の写真を撮って貼り付け、駐車場の見取り図を描いて、被害状況書を一寸大袈裟(おおげさ)に書いて、ぶつけられた時の状況説明書を 「見ていなかった」っとだけ書き、その他モロモロを書いて完成した書類を次の日に投函した。

それから待つ事一週間、又連絡がこねえ、どうなってんだ?あいつは?書類届いてねえのかなあ?フィリピンじゃよく有るって話だから・・・、電話してミッカ!、又あの時のネーちゃんが電話に出て来て聞いた事が有る決まり文句を英語でペラペラ!コンチキショウ!今度は騙(だま)されねえぞ!私はハナから得意のタガログだ(なさけね〜)、相手もタガログだ旨く会話が出来た時は一種不思議な感情だった。

そして30分後日本人から電話が有った『済みません、まだ決済が下りないもので、もう少しお待ち下さい』 ほかに仕方がねえから承知した、そして又一週間、まだ連絡がこねえ、もう事故から一ヶ月が過ぎてる、その間右のフェンダーミラーはガムテープでグルグル巻きにして何とか落っこちるのを押さえている、走るのには全く支障(ししょう)がないので困っている事は別に無いが、しかし対応が遅い、っとその時は思っていたが、遅い所かこの日本人、全く頼りに成らない食わせ者だった。

それから何と2週間も経ったであろう、決済が下りたとの連絡が有った、書類を送りますので確認して下さいとの事、2〜3日して届いた書類、これは修理工場への指示書、工場はこれに基いての作業はするが、ここに書いて無い事は全て追加代金を請求される重要な書類、それを見ると、『免責(めんせき)金額の***ペソを修理終了と同時この書類と共にお支払い下さい、貴方の今回の修理箇所は次の通りです』っと有り、修理箇所が書いてあった、右側前後のドア部の修理は書いてあったが、フェンダーミラーが修理項目に入っていない。

実はこのフェンダーミラー一個25,000ペソもするこいつが抜けていた、前回タレボソメの携帯番号を聞いて置いたから直ぐに電話した。 全てに対して、スムーズに物事が運ばないのはいったいどう言う訳なんだ!!、私のどこかが間違っているのだろうか?それともこれが普通でスムーズに行くのが実は不思議な現象なのか?、これからも新たな問題が発生して来るのが当り前っと言う事か?

ア〜ッ、先が思いやられる。 タヌキ汁・・・・っか!。

続く・・・。

約1年間にも渡り、私を悩み続けさせた車の故障、          フィリピン自動車修理工場のダマシやズルの実態を
その故障発見から修理完了までの長い道のりは、          全てさらけ出した貴重な実体験記録、涙と笑いで綴った
常に付きまとうフィリピンならではの大ジレンマと           一大悲喜劇 『エッペのケツ』騒動記 新連載開始しました。
戦い続けなければならない長く苦しいものでした。
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