いかさまの手口を説明 |
巧妙な手口 |
ゲームの説明 |
始めの一歩 |
いかさま賭博に誘われて |
3ゲーム目は30枚でこれを私は引き分けにしました。 そして4ゲーム目に入る前相手がトイレに行っている間に彼は私に どんどん行けっと耳打ちして来ました。 5ゲーム目相手は一挙に50枚彼は指を3本出しています、私は仕方なく、 本当にその時は仕方なく勝ちに行きました。相手がどんどん来るので 負ける暇が無いのです、相手の掛け金は私のチップいっぱいを狙っている ようです、しかし相手のチップは200万円分も有ろうかと言うほど沢山 有ります。 その後一進一退で数ゲーム進み、何ゲーム目かに丁度相手と私のチップが 同じ位の量に成った時、私の手元には130万円分のチップが有りました、 これはその時相手が時間が無いから最後の勝負をしたいがどうだと聞いて きた時、全部で幾ら有るか数えさせられたので良く覚えています。 そして最後の勝負が始まりました、ここまで私は1回だけ負けてもいい チャンスが有ってそこだけは相手に勝ちを譲りました、彼のサインは完璧 でした、一度のミスも無く淡々としかもタイミングよくサインが出て来ます。 私もやれやれこれでやっと終わりかとほっとしたその瞬間を悪魔の2人が 見逃すはずが有りません、初めて彼のサインが解らないのです、 頭を触った様でも有り、顔を触った様でも有りますがもう1度リクウェストと 言う訳にも行きません、考えた挙句2の札を出す事にしたのは言うまでの 事も有りません。 そして相手の札は言わずもがな3です。 私が1を出さない限り絶対勝てない訳ですが、相手は必ず私が2だけ出 させる上手い手を考えていたのです。 しかしもし私が1を出していたら、勿論もう一回勝負してこの次は絶対に 逃さない手で私をし止めに掛かって来ていた事でしょう。 その後ゲーム場を探して尋ねて行きましたが、 住人は全く別人で知らぬ存ぜぬの1点張りで全く埒が明きませんでした。 記 2003年5月 |
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見事な誘惑 |
今回はそれが1対1で相手は大金持ちだと言います、そして彼はこんな事を 言い出しました。 『実は待っている友人も日本人で、以前今回の相手に相当な金額を勝った。 今日は相手がリベンジして来た』。そして内緒の話だがと付け加えて 『前回大勝ちしたのは二人で組んでいかさまをしたのだ』っと、 とんでもない事を言うでは有りませんか。 詳しく聞いてみると、ゲームは2人ですから単純です、彼が相手の札を日本 人に教えて必ず勝つ様に仕組んだそうです。 『でも勝ってばかりいたらイカサマがバレルだろう』、と言いますと、 彼は「大丈夫勝負は10ゲーム位で終わるから、6回勝って2回負けて 2回引き分ければ絶対きずかれない、前もそうした」、っと言います。 それで彼の友人が勝ったお金は結局100万円位だと言いました。 ただし彼へのお礼は勝った金額の20%欲しいとも付け加えました。 彼は『友達はどうもこられない様だ、連絡も取れないし、約束の時間も 迫ってる』と言います、当時はまだ携帯電話など無い時代です、 例え有ったとしても、幾らでも考えれば浮かんでくる他の手を使ったでしょう、 例えば彼と話をする振りをして来られなく成ったとか・・・。 彼は私に考える時間を与えない様な言葉で迫まって来るんですよ、 間髪入れずとは良く言ったものです、私はとうとう『幾ら位の軍資金が 必要だ』と聞いた瞬間、魔の手に捕まっていたのですが欲の皮の 突っ張った私には彼がまるで天使に見えたのです。 |
いやねぇ、実はですねぇ、昔いかさま賭博に誘われた事が有るんですよ。 退屈しのぎにそのお話でもしましょうか? しかしこの話もかなり古い話でして、 さて正確に思い出せるかどうかが問題ですが・・・。 不覚にもその手に乗ってしまったのは当時日本でインベーダー・ゲーム が流行りだした頃ですから、今から30年程前の事でした。 その頃フィリピンには大よそ2ヶ月に1度位のペースで来ていましたが、 事件の発端は有る晴れた暑い昼下がりの事でした・・・。 私は何をするとでもなくホテルの近くを散歩していた時の事です、 とある路地に差し掛かった時の事でした、後ろから声を掛けられ 何だろうと振り返って見ますと、見た事も無いフィリピン人の 男が私を呼んでいるでは有りませんか、手には小さな財布を持って います、身なりも小ざっぱりしていていました、年齢は覚えていませんが 30そこそこだったと思います。 どうしたんだろう?と話を聞くと男は財布をかざして、 『貴方が落としたのではないですか?。』っと当時では珍しくフィリピン訛の 強い英語ではなく、綺麗な英語でこう言うでは有ませんか、私の財布ではない と答えると、彼は私の通った後に落ちていたので声を掛けたのだと言います。 当時(今も大差は有りませんが)のフィリピンは、他人の置き忘れた財布 など30秒もすれば無くなってしまう様な所でして、人の財布は盗んでも 拾った財布など届ける人など見た事も聞いた事も有りませんでしたから、 フィリピンにも随分珍しい奇特な人もいるものだと感心したものでした。 私が彼の事をこう思った瞬間には、既に後悔と言う終点に向かっている道に 最初の一歩を踏み出していたのを、その時の私には知る由も無いのは 無理有りませんがね。警察に届けるから一緒に行かないかと言う 彼の言葉には迷いながら私は断りました、理由はただ面倒くさかっただけ ですが。 この時点で私は獲物として彼等のターゲットゾーンにはまっていたのです。 |
満を持して相手の来るのを待つ事5分、とうとう現れたのは恰幅の良い、 バロンタガログ(フィリピンのフォーマルウェアーです)が良く似合う紳士 でした、いや私にはその下に毛むくじゃらの狼など全く見えず、代わりに 見えたのは、美味しそうな丸々と太った豚でした。 その時の私は、彼等プロの詐欺師から見れば何と無防備で無邪気な まるで生まれたての子猫の首を2本の指で摘む位にしか見えていな かったかも知れません。 いよいよゲームが始まる、っと言う所で「現金をそのままやり取りしている所 にもし警察でも来たら大変な事に成るのでチップに換える。」と言い私は彼に 何の疑いも無く大事な現金を渡し、変わりに50個の玩具のチップ50万円分 を受け取りました。彼は250枚程のチップを受け取りました、その時は実際に お金らしき物と交換していましたが、勿論お金などではなかったでしょう。 この瞬間に私の50万円は彼らの所有物と化したのです。 私のパートナーは相手のやや斜め後ろに立ち準備完了、札が3枚ずつ 配られ、最初のゲームが始まりました。彼を見るともう指を1本出している では有りませんか、私は迷わず2の札をテーブルに置きました。 次は掛け金です、最初は様子見の態度を取り、3枚のチップを置きますと 、相手は10枚のチップを出してきました。ここで私が受けたくなければ相手 にチップ1枚を払って降参のルールです。彼を見るとウィンクして行けの サイン、私は7枚のチップを上乗せして勝負に出ました。っと言いましても 最初から見えてるのですから勝負でも何でも有りません。 私の勝ちでセカンドゲームに入りました。 彼は今度頭を掻いています、同じく1のサイン。私は2の札をテーブルに 置きチップを10枚置きました、すると相手は20枚のチップ、少し恐ろしく なって来ました、相手はどんどん攻めてきます、カチが見えてるとは言え もしイカサマがばれたら殺されるのではないかと思ったくらいですが、 すでに賽は投げられてしまっています、いまさらやめる訳にも行きません。 私も10枚チップを上乗せして、結果は私の勝ち。 |
それぞれ自分の思うカードを1枚選び中央へ裏側にして出しその上に布を かぶせて隠します。残りの2枚はテーブルに2枚見えるように並べて置き ます。駒がそろったら布を並べた残りの2枚に被せます、もうこの2枚は 触りませんと言う意味です。 親の掛け声で全員が自分の選んだカードを表にします。 これから計算です、親がやります。親のすぐ右に座っている人から始めます、 この人をマスターと呼びます。マスターは2のカードを持ってたとします、 親を含め全員のカードと勝負させ1のカードを持っている人はマスターの掛け 金と同額を支払います。 2のカードの人は引き分けです、3のカードの人には負けましたから、マスター は自分の掛け金と同額を支払います。これで最初の人の清算は終わりました。 次に親の右から数えて2番目の人(時計と反対回り)の計算です。 今度はこの人がマスターです、3のカードを持ってました、清算が終わった人を 除き、親とを含め残りのカードと勝負させ2のカードを持っている人は マスターの掛け金と同額を支払います。3のカードの人は引き分けです、 1のカードの人には負けましたから、マスターは自分の掛け金と同額を支払 います。こうして全員の清算をします。 ¥1.000を掛けた人は最高に負けて¥4.000、勿論勝った時もです。 ¥2.000を掛けた人は¥2.000×3+¥1.000=¥7.000、 ¥3.000を掛けた人は¥3.000×2+¥2.000+¥1.000=¥9.000 ¥4.000を掛けた人は¥4.000×1+¥3.000+¥2.000+¥1.000=¥10.000 ¥5.000を掛けた人は¥4.000×1+¥3.000+¥2.000+¥1.000=¥10.000 多くの場合掛け金は一律で決められる様です、計算が大変だからです。 又、金額がまちまちの場合は最高掛け金も決められ、親対子のゲームの 方がもっと単純で分かりやすいのでその方がポピュラーだとも説明して くれましたが、かなり前の事なので、計算方法がもしかしたら違っているかも知れません。 |
その後20〜30分してホテルに戻ると、さっきの男がホテルの前にいるでは 有りませんか。 『何してるんだ』っと私が聞くと、 『友人を待っているがなかなか来ないので困っている』と言います、そして、 『さっきの財布は警察に届けて置いたのできっと持ち主は現れるだろう』 とも言いました。私が『友達はここのホテルに泊まっているのか?』 っと訪ねると『そうでは無いが、このホテルの前で待ち合わせたのだ』 っと言いましたので。 『私はこのホテルに宿泊しているが中でコーヒでも飲まないか?』と 誘うと、『有難う』といって付いて来ました。 しばらく取り留めの無い話をした後、彼はこう切り出して来ました。 『実はこれからゲームをやるんだが、一緒に行くはずの友人が来ないので 困っている、よかったら一緒に来ないか』っと、『私がどんなゲームだ?』と 聞くと、『ゲームは1,2,3(ワン、ツウ、スリー)をやるのだ』と言います。 (この名前は私が付けた名前で本当の名前は忘れてしまいました)、 『どんなゲーム何だ?』と聞くと、『こんなゲームだ』と言って 3枚のカードを出して説明し出しました。 彼の言った事を要約しますと。 何人でも参加できる、用意する物は、1.2.3の数字の3枚で一組、 一人一組づつのカードを持つ、5人居れば1,2,3のカードが5組必要、 それとカード1枚が隠れる布。 ルールは至って簡単で、1より2、2より3、3より1が強いじゃんけんに良く 似たゲームです。まず掛け金を決めます、プレイヤーはおのおのチップ又 は現金を出し、1番大きい金額を出した人が親(と言ってもこの場合計算役 だけですが、親対4人でのみ勝負する、違ったルールも有りまして、実際には そちらの方がオーソドックスなゲームだそうです)。 同金額が居たら前回の親、か前回の親から左回りで近い人。 金額が大きすぎたらその場は下りてショバ代を払い金を下げる、受けられる 人だけ金をそのまま置いておく、自分が¥1,000で相手が¥100,000でも いいのです。自分の掛け金がベースと成ります、又、自分を除いた掛け金 の合計が相手と成りますからその合計も計算しなくては成りません。 この場合親が¥5,000、2番目が¥4,000、3番目が¥3,000、4番目が ¥2,000、5番目が¥1,000として勝負を始めます。 |
巧みに操られる私のスケベ根性!! |
矢は放たれた!! |
彼は『見せ金だし沢山は入らないが50万円位は必要だが持っているか?』 と尋ねます。欲の塊と成った私はもうその時点で彼に何の疑いも持たない 所か心強いパートナーと思っていたのですよ。 彼は親切にも向こうへ行ってからでは時間もないし、練習が出来ないから 今ここでやろうと言い、相手の持ち札が1の時は指1本を出すか、それが 出来ない時は頭を触わる、2の時は指2本か顔のどこか、3本の時は指か 胸と決めた、前の時もそう決めて置いたと言うでは有りませんか。 そして練習しましたが、そんな事するまでも無くいたって単純、間違え様も 無い位です。準備万端ゲーム場へと2人は向かいました、彼はその間も 私に合図のテストを繰り返し、私より反って心配そうな素振りです、実は その心配は別な意味で、私が絶対に間違わない様に心配していたのです。 ここでゲームをすると言う場所へ着いた時、カジノまでは行かなくとも、 もっとゲーム場っぽい所を想像していた私はいささか拍子抜けの感じを 覚えました、付いた所は只の一軒家でした、ここなのか?と聞きますと、 ここならば安全だ、闇賭博は警察も厳しいからっと言う事で 納得できました。その時の私の心境はどんな所でも良かったんです、 何たって頭の中は100万円でいっぱいでしたから。 |