我が親愛なる生徒達
元プロサッカー選手がゴルフに挑戦
今まで様々なスポーツ経験者をティーチングして来た。
野球、バスケットボール、卓球、テニス、水泳、スキー、スケート、ウエイト
リフティング、レスリング、合気道、剣道、柔道、ets,私の少ない経験だけ
であるが、野球ではどうも野手より投手のほうが上達が早いようである、
又テニスの経験者も3人いたが、頑張ったのは一人だけで後の二人はリ
タイヤしてしまった。

特筆なのは剣道経験者、とにかく手首の強さは異常な程で、使い方も上
手であった。サッカー選手は今回が始めてである、しかもGさんはJリーグ
一部で活躍した筋金入りのサッカー選手である。

コースでのプレーは何度も経験してはいたものの全くのビギナー、100所
か110さえ切れない状態である、Gさんのキャディーバッグを見て成る程と
思った、アイアンは5〜S、ウッドが9、7,5,3、1アイアンが苦手の様で
ある。

30一寸過ぎのGさんは筋肉質では有るが現役引退後15kgも太ってしま
ったと言う体は少し弛んでいる様にも見えた、流石に立派な足を持ってい
る、背筋も強そうである。

9アイアンを打たせて見ると、力任せに打った打球はボールの手前10Cm
でダフリ100Y地点に落ちた、何回打ってもダフル、右肩が下がり、左肘の
曲がったインパクトは典型的な右手打法の現れである。

しかし当の本人はダフッている感覚は無いそうである、こうして打たないと
トップしてしまいそうで怖いとの話、成る程あの力でトップしたら180yは飛
んでいってしまう。

どうしても前体重になってしまうGさんにはまず体重移動を徹底的にレッス
ンしてもらった、体は最初スライドして左の壁に左腰がぶつかってから回転
運動に変わる、と言うよりも回転運動になってしまうと、考え方を変えるよう
言った。

これは彼の素晴らしい足の筋肉と丈夫な背筋を十分発揮してもらうドリルで
その時は左の壁を作るドリルとは本人に伝えていない、体重移動が出来る
ようになるとダフリが極端に少なくなって来た、ダフリの要素はたくさん有る、
その一つ、体重移動が十分出来ないとクラブヘッドが体の正面に来ない内
に最下点を迎えてしまい、ダフル結果となる、体重移動を十分にする事でヘ
ッドの最下点を左にずらす訳である、しかし左の壁はまだ崩れている。

Gさんは4回目のティーチングで体重移動が出来るように成りそれだけで距
離は20y伸びた、コースで飛距離の違いを実感したGさんはとても感激して
自分のゴルフが変わって行く様子がハッキリと解ってきたとも言った。
次に力任せの右手スウィングの改造に取り掛かった。

左手でクラブの重さが分かる位のグリップを作りそのままのグリップの強さ
を保ちながらハーフスウィングの繰り返しをする、するとテイクバックからク
ラブがダウンスウィングに入った時クラブヘッドが体近く後方から出て来て
手より送れて下りて来る感じがあればそれがレイトヒッティングである。

トップオブスウィング(トップ)からヘッドが下りて来る時、右手の親指とシャ
フトに出来た角度を出来るだけ保ちながらダウンスウィングすると腕が地面
と水平状態にあってもシャフトはまだ地面と垂直に立っている、レイトヒッテ
ィングの完成である。

野球のバットスウィングに悪い例として挙げられるドアースウィングと言う言
葉がある、これはドアーをバット、ドアーが取り付けられている壁を腕に見立
て、ドアーが閉まる方向に動いた時点でドアーと壁の角度が開き始めてしま
う、言い換えるとバットが動き出したと同時にバットと腕で出来た角度が開い
て行く状態を言う一般的にこの状態をバットの溜が無いと言う。

ゴルフのスウィングも全くこれと同じであると考えて良い。
Gさんはこのドリルが大変苦手な様で、力が入らないとしきりに言うが、当たり
前である、力を抜く為に練習しているのだから、今現在彼がこれを完璧にクリ
アーするまでには至っていないが現在の飛距離は7アイアンで175yである。

初めてのティーチングから約3ヶ月でアイアンの飛距離がいっきに40yも伸び
た事になる、もし彼が完璧なレイトヒッティングと左の壁を完全にマスターした
時にはドライバーの飛距離が今より30yは伸びキャリー300yも夢では無い。

現在Gさんの悩みは伸び続ける飛距離に戸惑い、いったい何を盛ったら良い
のか判ら無く成っている事だと言う。

記 2007年1月
お帰りになる前に   是非お立ち寄り下さい!!