15、目から鱗の『スライス』 『引っ掛け』『シャンク』撲滅


ゴルフに関する質問がメールでよく来る、掲示板に書き辛いらしい、公開する事にやはり抵抗が有るのだろう、勿論回答はメールで返す、よく来る質問は『スライスが直らない』『引っ掛けが良く出る』『シャンクが良く出る』『ボールが上がらない』等が寄せられる、今日も『スライスを直す方法を教えてください』のメールが来た、そこで今日は詳しくその事について説明する事にする。
実はこれらのミスショットの原因は全て同じ原因から出る、紙面での質問なので実際のスウィングを見ていない為、必ず治る保証が出来ないのが残念だが、近い内には写真投稿によるスウィング診断を受け付けようと準備中である、それまでは我慢して貰うしかない。

スウィング軌道がアウトサイドイン(ダウンスウィングでクラブヘッドがアウトサイドからインサイドに入ってくるスウィング)に成っているのが原因の多くだが、ややこしいのは原因の全てでは無い、この点に注意しなければならない。

例えば『シャンクが良く出る』原因や『引っ掛けが良く出る』、『ボールが上がらない』等の原因は別にも有る、しかし確率的にアウトサイドインのスウィングが原因である事がかなり高い事も事実である。 言葉の意味を正確に把握する必要がある、アウトサイドとは・・・ボールとターゲットを結んだ後方線上に立ち、飛球線方向右側(身体から遠い方)をアウトサイド言い、その反対左側の身体に近い方をインサイドと言う。

これら上記のミスショットのメカニズムを知る事で対策も出来るはずである、以下の順番で説明して行く。
@ なぜアウトサイドインの軌道でスウィングするとこれらのミスが出るのか?。
A なぜアウトサイドインの軌道になってしまうのか?。
B どうすればアウトサイドインの軌道をインサイドアウトの軌道に矯正出来るのか?。

@『なぜアウトサイドインの軌道でスウィングするとこれらのミスが出るのか?。』

『スライスの原因』はボールに右回転のスピン(スライス回転)を与える事により発生する、この回転が無ければスライスはしない。クラブヘッドがアウトから入りインに抜けて行く途中でボールをヒットするとボールに右回転のスピンを与え事に成るのは分かるだろうか?(写真@A)逆にクラブヘッドがインサイドから入ってアウトサイドに抜ける軌道だと左回転のスピン(フック回転)がボールに与えられる(写真BC)、これがフックボールのクラブヘッド軌道そのである。

『引っ掛けの原因』(プルPull)はアウトサイドインの軌道(写真D)ばかりではないが、多くの場合はこれに当てはまる、ヘッドがアウトサイドから入りインサイドに抜ける途中でクラブヘッドの芯でインパクトを迎えれば打ち出されたボールは左に飛んで行くのは極自然。



『シャンクの原因(参考サイト)』シャンクShank(ソケットsocketとも言う、シャンクとは『すね』と言う意味)クラブフェイスの一番ヒールよりでクラブヘッドにシャフトを装着する部分でボールをヒットすると、ボールは急激に右へ飛び出す(写真E)、グリップを柔らかく持っていればクラブフェイスの何処で打ったか必ず分かるものしかし必要以上にグリップを強く握り締めてしまうとクラブフェイスの何処でヒットしたか分からない。

その為多くの人がクラブフェイスのトウ部分に当たっていると勘違いしている、シャンクを打った後には必ずクラブのネック部分に打痕が残る、この原因はアウトサイドから入って来たクラブヘッドがインパクト時にインサイドに引き切れずネック部分でヒットしてしまう為に起こる。

『ボールが上がらない』これは右にボールが行くのを嫌がり、アウトサイドインの軌道でスウィングする時、フェイスが被りボールが上がらない現象である(写真D)、勿論ボールが上がらない原因は他にもあるが、やはりアウトサイドインの軌道でスウィングをしている人に多く見られる。

A『なぜアウトサイドインの軌道になってしまうのか?。』 一言で言うならば、右手、右腕を使えばイヤでも右肩を使う事に成る、もし右肩を使わないで右腕のみを思いっ切り使う事が出来る人がいたなら、その人は神様かイカ様である。
そして右肩を使おうとすれば右肩は体の前方に出ようとする、クラブヘッドも勿論同じ動きをするのでアウトサイドへ出て行く、そして自然にインサイドへ戻って来る、これでアウトサイドインのスウィンが完成してしまう。

アウトサイドインの軌道で一番多い、っと言うか殆ど100%に近い確立で起きる誘因は右手、右腕の間違った使い方である、ある程度ゴルフをやってきた人には『何だよ、又か〜、左腕リードの話だろう?』っとお思いでしょうが、その通り、右腕主導のスウィングである。



ではなぜ右腕の使い方を間違うとアウトサイドインのスウィング軌道になってしまうのか?だが、右腕のスウィング上のメカニズムを考えて見ると分かる、但しこれは極オーソドックスなスウィング例えばタイガーウッズをサンプルとしての事と考える。
まずアドレスで右肘は伸びている、少しは曲がってアドレスをするがほぼ伸びている、テイクバックからトップの時点では90度以上右肘は曲げられている、(もし曲がっていない人がいたら、それが正しいかどうかチェックする必要有り)そしてダウンスウィングで又徐々に右肘は伸ばされ、フォローでは完全に伸びる。

多くの人はインパクトで右肘が伸びると解釈しているが右肘が完全に伸びるのはインパクト時ではなくインパクト後である。そして又フィニッシュに向かって曲げられて行く。

この様にかなり複雑な動きをするのが右腕である、それにもっと肝心な事が有る、殆どの人が右利きだ、と言う事が災いしている、力を入れる場合利き腕で行うのが普通である、Bで詳しく説明するがこれがスウィングの邪魔をする。

それに比べ左腕はどうか?アドレス時は?トップでは(よくトップで左腕を伸ばせっと言うのはこう言う意味が有るから)、インパクトでは?フォローでは?そう、全て伸ばしっぱなしである、何もしないのである、この何もしない事がゴルフスウィングでもっとも重要なのである、これも後でBで説明する。

っという事で左腕の単純な動きに反して右腕はかなり複雑な動きをする、この右腕を主導でスウィングを考えるとそれだけで頭が痛くなり、ゴルフが100倍、いや1000倍難しくなる、然るにどうして右手を主導にしてスウィングをしてしまう人が多いのか?
その答えは幾つか有る。
@ 右利きの人が多い、ボールをぶっ叩くのだから右で行くのが普通と考えている。
A 右腕主導のスウィングがいかに不合理なスウィングかのメカニズムを真剣に考えた事が無い。
B どうすれば左手主導のスウィングが出来るのかが解らない。
C 誰かが『ゴルフは右腕だ』と言っていたのを自分に都合が良いから、そうだ、そうだと同調している。
D 左腕主導では打った気がしないし、飛ばないと思っている。
E いいんだ!上手くなりたくないから右腕主導で打っているんだから。
F ゴルフスウィングが左腕主導なんて聞いた事も無い。
G その他モロモロ。

こういう人が多い為右腕主導のスウィングをする人も多いっと言う訳である。そして右手、右腕を使うと必ず右肩が体の前方に出る(俺は出ない!っと自信のある人は以下読む必要は全く無い)、勿論右肩のチカラコブが目いっぱい働く準備をするからである、その為クラブヘッドもアウトサイドに出て行き、アウトサイドへ出たクラブヘッドは当たり前にインサイドへ戻って来るしかないのである。

これをアウトサイドイン軌道のスウィングと言うわけである。 そしていよいよ次は 『Bどうすればアウトサイドインの軌道をインサイドアウトの軌道に矯正出来るのか?。』 まず最初にタイガーウッズの言葉を聞いてみる。(『タイガーウッズの言葉』をクリック!) もし『いや、そんな事は無い、俺は(私は)チャンと右手でクラブコントロールが出来る、だから今だかってミスショットを一度も打った事が無い!!』っと言う狂気の沙汰の人は以下を読む必要は全く無い、唯のゴタクを並べただけであるから・・・。

まずこの事を解から無くても、スウィングとはそんなモンなんだ、っと思う事からこれからの解説は始まる。 (断って置くが、本当にタイガーがあんな事を言ったかどうかは知らない、俺が多分あんな事を言っただろうと想像して書いただけだ。) 突然だが自転車に乗れる人は自分で自転車に乗っている所を想像してほしい、なんなら本当に乗っても良いが、自転車に乗れない人は他人が乗っている所を想像して欲しい、又は実際に見て欲しい。

ゆっくり、例えば時速10mで進むのと時速50kmで進むのでは、自転車はどちらが安定しているだろう?勿論早い方に決まっている、それとスウィングスピードは同じと考えて良い、スウィングをスローモーションでして見ればすぐ解る。

ここまでで、ゴルフスウィングは自分でコントロールする物ではないしコントロールなど出来ない、そしてスウィングスピードが速ければ早いほど、スウィングの狂いは少なくなる、っと言う事が解った。はずである。 クラブをコントロールし易い、言い換えればコントロール(小細工)してしまいそうな右手、右腕を使わず、コントロールし辛い左腕を主導にしてスウィングすればコントロールしないで済む、しかも右腕は複雑な動きをする、それと反対に左腕は単純な動きしかしない、これを使わない手は無い、そうすればスウィングアークもインサイドアウトになるはずである。

そこでどうするか? まずクラブヘッドが自由に動けるようなグリップにする、言い換えれば自分でコントロールしてしまわ無い様に手首が自由勝手に動くグリップにする事が大切、手首が硬いと言う事はグリップに力が入り、イヤでもクラブを操る形になってしまう。実験である、右手でも左手でも良い、手を団扇代わりにして顔を扇いでみる、手首が自由に利いて風が顔に当たって気持ちが良い、次に同じ手でじゃんけんのグーを作り、思いっきりキツク握って同じく顔を扇いで見る、まるで自分で自分を殴っている様でとても手首が自由などと言えない、これは他人の見ている所ではやらない方が無難である。

これでグリップをキツク握るとクラブヘッドが自由に動かなくなる事が解った。はずである。 それではいったいどの位の強さでグリップしたら良いのか?。

以下は以前HP本文に書いたものを引用する。
グリップの握りの圧力を例えて良く『生卵が潰れない位』とか『小鳥を絞め殺さない位』とか言うが、本当の生卵でグリップを作った奴も、小鳥をグリップに括り付けて打った奴も見た事も聞いた事もアリャしない、本当に実験したら、生卵が10個潰れたで有ろうと、小鳥が100羽死だで有ろうと、本人は『そんなに強く握ってなんかいない!!』っと言えば証拠が無いから『そうですか』っと言わざるを得ない。



俺は違う、彼らに問題を出す、但しその前に実験をする。実験の方法は色々有るが、例えばクラブフェイスを空に向けてクラブを持って目をつぶって貰い、俺がフェイスにボールを軽く落とし、フェイスの何処にボールが当ったか答えて貰う、ボールをトウ側やヒール側に落とす、実験者がゆるく握っていれば必ず正確な解答が帰ってくる、100回やって100回正解する、次にパターでボールを打って貰う、最初はトウ側次にヒール側、そして目をつぶって打って貰い答えを言って貰う、これも100%正解する。

これからが本番、次に7番アイアンを持ってショットして貰う、フェイスのどの部分に当たったか正解を出せるアマチュアは殆どいない。クラブでボールをヒットする衝撃は軽くボールを落とす何百倍も有る、にも関わらず、っである。
これが俺の方法、フェイスのどの部分に当たったかっ分かる位の圧力が適度なグリップの握り方と言える。 実はこれが出来れば殆どアウトサイドインのスウィングはインサイドアウトに改善されている筈である。

しかし、これだけではサッパリし過ぎるのでもう少し他の有効なドリルを解説する、鍵はアドレスから10cmに有る、この間をいかにテイクバックするかによりスウィングの70%が決まってしまう、言い換えればここを理想通りに通過できれば70%成功するっと言っても決して過言ではない。 その方法は簡単で単純、左手でクラブの全重量を感じる事がとても重要な事、その重量を感じながらそのまま左手で、スタートの20cmをインに引く、くどい様だがインに引かなければならない。

クラブヘッドは決してアドレスの位置よりアウトサイドに出ないように細心の注意が必要、又、決してターゲット方向の真っ直ぐ後ろに、では無い、そう書いてある教科書も有るが、そんなものは見なかった事にして良い、間違いだと思って良い。

なぜならばクラブヘッドはスウィング中、直線で動く所など一箇所も有る筈が無く、そうしようとする事が不自然な動きなのである。体と腕の位置からも真っ直ぐ後ろへ引くには右手でアウトサイドへクラブヘッドを出さなければ出来ない動作である、これは絶対に駄目と思って良い。

もう一度確認、クラブの全重量を左手に感じ、左手でインサイドに20cm引く事である。
もう少し右手を使わない具体的なドリルを説明する、トップの状態と、トップからダウンスウィングへの切り替えし、それにダウンスウィングの方法である。

トップではヘッドのトウ部分に注目する、腕や手に余計な力が入っていなければヘッドのトウ部分は地球の引力の力で真下を向く、クラブフェイスが空を向いていたら、間違いなく右手に力が入っている、そのまま右手を離せばクラブを保持してはいられない、トップでは(TOP写真のように)左手の親指にクラブの全体重が乗り、小指で支えられる感じが良い、その為アドレスからテイクバックのスタートの時クラブの全体重を左手に感じなければならないのである。

又写真Fのトップの位置からではインサイドアウトのスウィングはまず出来ない、最初からグリップエンドがアウトに出るようにセットされてしまっているからだ。

次にダウンスウィングへの切り替えし、本当の意味での切り返しの時期はトップの位置に手が収まる一瞬前に始まるものである、これはクラブフェイスが下向きの力が働いている内にそれを利用して切り返しのスタートをする事により、クラブヘッドを遅らせながらスウィングする、レイトヒッティングをし易くする為である、

決してクラブヘッドから先に動くのではなく、グリップから動き出す、もっと詳しく言えば切り返しのスタートは左の腰から始まる、この件に関してはここでは割愛して別の紙面で詳しく説明するが、自分自身で手を使ってクラブを引き下ろすのではなく、いやでもクラブは下りてくるものなのである。。
その時の右手が肝心である、右手首の曲がりを解かないように注意するのである、言い換えれば右手を使わない様にする事が肝心で有る、使えば手首の曲がりが解かれてしまう、右手を使うのはもっと後、これによりクラブヘッドが早く降りてくる事を防ぐ(写真G)、そしてそのまま右手首を我慢してインパクト時に一気に解き放つ。

写真Hはぎりぎりまで手首をトップの形のまま我慢している、これを『タメが有る』という、写真Iは『タメが無い』、グリップの位置は同じである事に注目してみる、ここからインパクトまで仮に0.01秒掛かるとする、1も2もこの値は同じである、違うのはその間に動くクラヘッドの距離、おおよそ1は2m、2は1mである。

もう解ると思うが同じ時間で距離が2倍動けばヘッドスピードは単純でも2倍である、これが飛ばしの極意、レイトヒッティングである。 これが出来た時にはアウトサイドインのスウィング等とっくにどっかへ行っている、綺麗なドローボールの軌道でボールは飛んで行っているだろう。

これらは全てグリップの握りの強さに掛かっている事を忘れてはいけない。 しかしここではレイトヒッティングの解説をした訳では無い、レイトヒッティングの完成にはまだまだ注意しなければならない点が沢山有る、又、いつの日かその質問が来た時にでも詳しく解説する事にする。

《まとめ》
左手主導のスウィングをする。
テイクバックのスタートはクラブの全重量を左手に感じ、左手でインサイドに20cm引く事である。
トップではクラブヘッドのトウが下を向く。 トップからダウンスウィングへの切り返しでは右手の手首を我慢してグリップからスタート。
ダウンスウィング中も右手首を伸ばすのを出来るだけ我慢してインパクトで一気に解き放つ。

ああ〜、疲れた!!解り易く書けたかな〜?