連載手記『エッペのケツ』騒動記四
第一章 エ〜エ!ウッソだ〜!!フィリピン自動車保険会社の醜態
その7 フィリピンフォードの対応は? その8 一難去って又一難!!


今日の新たな登場人物
今日は記憶に残った人物は居ません!


その7 フィリピンフォードの対応は?

ホソダレメのオウム野郎が電話に出た、取り合えず"ドタマカチワリ"はお預けだ。
『今ネエ、丁度アラバンのフォードにいるんだがネ、おい!ホソダレメのオウム野郎!、いってえどうなってんだ?あア!フェンダーミラーの件はまだ連絡してねえんだろう?フォードでアこの書類じゃ駄目だと言ってッぞ!!』
『おかしいな〜?そんな事無いはずなんですが・・・』
『おかしいなあ、おめえさんの方だ!、おめえさんが直接フォードに連絡したのか?どうなんでい!!』
『いえッ、あの〜。それが〜』
『又得意の担当者任せ、って奴だろう!』
思わず"馬鹿野朗"っと言いそうになって、ヤットの思いで生唾(なまつば)と一緒に飲み込んだ。

『実はそうなんです、私が忙しくて・・・』
『おめぇさんね!自分が忙しい本当の原因、解ってねえんじゃねえか?教えてやらあ、おめぇさんが何でも人任せにしているからだヨ!、そいった事、考えた事無えのか?それでも電話の一本ぐれえ出来ない訳じゃねえでしょう?』
『はい。』 っとどっち付かずの生返事
『今回も前回も、前々回も、その前も、おめぇさんが直接やってりゃあ、そんなに大変な事じゃねぇし、こんなにゃ成らなかった、そのお陰で俺はテンテコマイだ!!。』
『はい。』
『俺が新しい書類を請求した時も、この書類で大丈夫だ、って言ったの覚えてるか?』
『はい。』
『チットも大丈夫じゃめぇじゃないか!!、どうすんだよ!!』 少し切れ掛かった。

もう話しているのもイヤに成って来た・・・・。
少し自分を取り戻してから『今フォードの人に君の会社に電話するよう言いったけど、君からもフォードに直接電話して下さい、フォードの担当者はカクヅラさんです。』
『はい。』
『本当に君が直接電話して下さいよ!、言って置きますが君が得意の担当者じゃ駄目だよ!聞いとんのか〜ツ?ホソダレメのオウム野郎』
『了解しました。』本当に了解して頂けたのかどうか????。

暫らく待った、せっかくここまで漕(こ)ぎ着けて『はい、解りました、出直してきます』なんて事,私には出来ない、何たってここまで来るにゃア遠い道則(みちのり)だった、4ヶ月掛かってここまで来たのだから、絶対に何とかして貰う、イヤッ、絶対に何とかさせる!!。

フォードのカクヅラが戻って来たのは30分以上はたっぷり経ってからだ、
『事情は解りました、車はお預かりいたします』
『なんで〜、偉そうに!俺は客だぞ!"お待たせ致しまして申し訳有りません"位い言うべきだろうが』
っと言いたいのは山々なれど、ここん所はグッと押さえて、
『修理はいつ頃終わりますか?』カクヅラは伝票を見ながら
『2週間から遅くて3週間位掛かると思います、終わりましたら直接連絡いたします』
まあ仕方ネエかドア2枚で3週間は掛かりすぎだが、言った所でどうなるもんでもありゃしネエ。
『そんじゃ、電話待ってますヨ!、出来るだけ早くお願いしますよ。』もう4ヶ月も掛かってんだから、っとは言ってもここには関係ねえか、帰り際にカクヅラの名刺を貰うのは忘れなかった。

それから2週間が経ち、3週間が経っても電話のデの字もありゃしねえ、こう言うのには慣れているとは言え、ヤッパリムカツク、遅れるなら『遅れてしまって申し訳有りません』と断りの連絡があって然(しか)るべきだが、そんな奴は30年この方フィリピンじゃお目に掛かった試しがネエ!!。

もう自分で電話するのもカッタルイんで、ドラに架けさせた、奴の答えを決して期待していた訳じゃあないが、たった20秒程の簡単な電話が終わって『まだだって!』の一言、
『いつ終わる、って言ってた?』っと聞くと
『知らネエ』
『聞かなかったのか?』
『旦那あ、やだなあ、自分の言った事と言わない事が区別つかなく成っちゃったよ!、そんな事聞けっ何て言われなかったっすよあッっしゃあ』それ以上会話をする気が無くなった。

キズが有るだけなら車は乗れるから不便は無いが、修理に出しちゃうとこれは大変不便、1ヶ月も過ぎたが、連絡なし、この国はこれが常識らしい、いや、常識だ!、だから何十年経ってもこの国は・・・・、等と考えても埒(らち)は明かない。
こいつとは話す気もしねえが、気を取り直してドラに
『いいか!、未だ修理が終わらない、っと言いやがったら、いつ終わるんだッ、っと凄んでやれ!解ったな』っと念を入れてフォードにもう一回電話をさせた。
ドラの答えは『いつになるかまだ解らない、って言ってました』ヤッパリこいつは使えないか!。

フォードに保険屋から電話を入れさせる事にした、ドラよりは幾らかましな答えが返って来るかも知れないと思ったからで、担当者のホソダレメのオウム野郎がボンクラ日本人だけに、大きな期待などしていないが、そう言えばフィリピンに来て、いつからかは解らないが、余り期待する事が無くなった。

特にフィリピン人に用事を頼んだ時等は、例え簡単な事でも、(棒を投げて犬がくわえて戻って来る様な)誉(ほ)めて上げるべきだと悟った、
一度に2つの事を頼んではいけない事も悟(さと)った、
時間には少なくとも考えられる2倍以上の猶予を与えるべきだっとも悟った。
まだ有る、簡単な(せいぜい3桁)足し算、引き算は出来ても、掛け算や割り算は彼らに取っては全く理解できない高等算術なのだと言う事も悟った、
自分で犯したミスでも絶対にそうとは認めないし、謝る事を極端(きょくたん)に嫌う人種である事も悟った、
まだまだ私を悟らせてくれた事は沢山有る、彼らフィリピン人に感謝???。

居留守使いやがったら一事中止の"ドタマカチワリ"だ、っと思いながら、やけに重たい携帯のボタンを押した。




その8 一難去って又一難!!

 私からの電話だと言う事は相手は解っているから『もう5ヶ月以上になりましたよ!』ホソダレメのオウム野郎が電話に出るや否や私は突然こう切り出した。
『エッ、何がですか?』
『忘れたんですか、困るなあ〜、事故が起きて、貴方に車の修理をお願いしてから、5ヶ月にもなるんですよ!、いったい何時に成ったら車は戻って来るんでしょうか?』
『フォードに修理に出されたんですよね?アラバンの。』この言葉の中には"何でこっちに電話をするんだ、直接フォードにすれば良いだろうに。"っと言った意味の言葉が含まれているのを感じ取った私は、
『フォードに電話してもいつ終わるかさえ答えない、貴方が電話して催促してくれないですか?貴方の所の指定工場なんだから。』

やっと様子が理解出来たらしい、 『了解致しました、電話してみます』
『その回答を私に電話して下さいますか?』
『勿論そう致します』
次の日電話を架けてきた、
『車を入れたのは1ヶ月程前ですよね?』
『そうです。』
『実はまだ予定が立たないと言っているんです、どうも修理が混んでいる様で・・・』
『っと言う事は未だ手が着いて無い?ヤット修理工場へ入れる事が出来たと思ったら、今度は修理してないの?』
『よく解りませんが・・・。』
『きみねエ、(怒る時には貴方が君に代わる)子供の使いじゃあないんだから、もっと真剣に現状を把握する努力をして下さいよ、1ヶ月以上も車使えないんですよ!こっちは!、何時に成ったら使える様になるのかチャントした答えを貰って下さい!、お願いします!』っと言って電話を一方的に私から切った、一難去って又一難か!あ〜あッ!。

駄目だ、これじゃ1年掛かちゃう!、兎に角クルマが現在どういう状況に有るのか確かめる必要がある、ドラに行かせるか?見て来るだけなら出来るだろう・・・か?ヤッパリ難しいかなア?。
まあイイヤ、『おい!ドラ!明日フォードへ朝一で行って来い!、明日用事が有るから、スペゴンは俺が使う、お前はジープで行って来い』
『何しに行くんすか?、アッシあ?』
『今エッペがどういう状態に成ってるか見て来い』
『だって、修理が終わってねえって・・・』
『ウスノロ!!だから見て来んだよ!、もう一ヶ月経ってんだ!車を修理に出した時、2〜3週間で終わるって言ってたのおめえも聞いただろうが?』
『そう言ってやしたがネ、混んでいるんだからシャーネエヤ、いつ終わるか分かんねえって、電話で言われたの旦那に伝てえたじゃねえッすか、すぐ忘れるんだからダンナあ!』

『おめえよ!一体エ全体エどっちの味方してんだ?ナンカやけにフォードの肩持つじゃねえか、ええ?。』
『なんだい、こんだぁ、ひがんじゃったよ、みっともないよ男のヒガミぁ!』
『ってやんでい!俺がてめえを相手にひがんでどうすんでぃ!』
『フォードの味方なんかしちゃいませんよ旦那!よく考えりゃ解るじゃないッすか、アッシャ、ドケチ旦那様からお給金頂いてんすヨ、まあ!フォードが出す、ってんなら向こうの味方するかも知んないケンド』
『なにを!!』
『冗談ッすよ!ジョウダン!』

『おめえな!ヨック考げえろ!相手の言う事何から何まで全部飲んでられっか?、そんなのんきな事してて見ろ、修理なんかいつに成ったら終わるか分かりゃしねえヤ!。』
『せっかちなんだからねえ旦那ア!それとも何ッすか?"ハポン"(タガログで日本人をこう呼ぶ)は皆んなこんなんですかい?』
『いいから俺の言う通りにしろ!お前はエッペが今どうなっているのか、例えばドアが外れて修理中だとか、まだ何もしていねえで、ほっぽり出されているとか、そいつを見て来りゃイイんだ!』
『分かりやした、それだけでイインッすかい?』
『おめえさんにそれ以上の事が出来るとでも思ってんのか?勘違いすんねえ、こんだけ頼むんでも俺に取っちゃ十分心配ぺえなんでぇ!』

次の日の朝『おい、ドラ、フォードへ着いたらミスコール(日本で読んでる人は解らないだろうが、いわゆるワンギリだ)しろ、忘れるなよ!』っと念を押して出したが、もうフォードに着いた頃だろうと思う時間に成ってもドラから電話が架かって来ない、仕方がないからこっちから電話すると、アサメシを食ってないのを思い出したら、急に腹が減って来たんで、今飯を食ってる最中だ、と言う、俺はそのまま何も言わず電話を切って、又頭を抱えた。

暫らくしてからミスコール、やっとフォードへ着いたらしい、しかし私は"しまった"っと思った、フォードに着いて様子が解ったら電話しろ、っとは言わなかった事を思い出した、奴は多分フォードに着いただけだろう。 電話を架けると案の定そうであった、『もう一度車の側に着いたらミスコールしろ。』っと言って、相手が何も言わない内に電話を切った。

フィリピン人には1から2、3、4・・・・っと順番に全てを言わなければならない事を忘れていた、確かにメシを食う前にフォードへ行けとは私は言わなかった。多分大馬鹿者なのだろう自分を責めるしか、心を落ち着かせる術(すべ)がみつから無かった。

奴の話では、ドアが外れていて、古い塗装は剥(は)がされていた、しかしそれは後ろのドアだけで前のドアは手付かずの状態だっと言う事が解った、するってえと、一ヶ月掛けてドア一枚外して、塗装を剥いだだけって言う事に成る、この計算で行くと早くて後3ヶ月はたっぷり掛かりそうだ。
『おい、ドラ、その今仕掛かりのドアは、いつ車から取ッ外したのかを聞いてみろい』暫らくして
『2日めえだと言っやすぜ、旦那』
ヤッパリな、私や保険屋が電話を入れたもんで、慌てて仕事に掛かりやがった、ほっといたら本当に一年掛かちゃうぞこりゃっ。

この国フィリピンで家を建てる時は、必ず信用の置ける現場監督を四六時中監視役に着けないと駄目だと言われている、フィリピン人は仕事が、遅くて、荒くて、手抜きする、おまけに材料をチョロマカス、っと四拍子チャント揃っている、っとネイティブ・ピリピーノは口を揃えて皆な言う、ホントに誰に聞いても同じ答えだから、全ての大工(?)が同じなのである。

しかし家を建てるなら監督するのは解るが、修理工場まで監督など着けて置けるものではない、だから仕事が遅く、荒く、手抜きのし放題である。じゃあどうする?実は手は有る!、多分?いや、確かだろう、チップをヤリャア早くなる、後から修理に来た車でも真っ先に取り掛かるで有ろう、これがフィリピンの決まりである。

ドラに『解ったからもう帰けえって来い』っと言ってから考えた、仕方がねえから、私と話しをしたカクヅラに最後の手段を使うか。

次の日フォードに行ってカクヅラを呼んだ、『随分日にちが掛かるネエ!』と言った私の言葉に、カクヅラが返してきた言葉は、かなりフィリピン慣れしていると思っている流石の私も開いた口が塞がらなくなった。

続く・・・・。


約1年間にも渡り、私を悩み続けさせた車の故障、          フィリピン自動車修理工場のダマシやズルの実態を
その故障発見から修理完了までの長い道のりは、          全てさらけ出した貴重な実体験記録、涙と笑いで綴った
常に付きまとうフィリピンならではの大ジレンマと           一大悲喜劇 『エッペのケツ』騒動記 新連載開始しました。
戦い続けなければならない長く苦しいものでした。
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