今日の新たな登場人物。 登場人物をクリックすると自己紹介します。 その3 極悪非道フィリピン病院の所業！！ キリノ(QUIRINO)通りにある極悪非道病院！！写真クリックで拡大。 エミさんは無事退院だが、その日病院に残金の支払いに行って驚いた、入院前は全て込みで60,000ペソと言われ、念を押して半金の30,000ペソを支払った、そして今日退院の日、請求書を見たら残金が何と70,000ペソに増えている。 何でだ？会計のオバさんにこれは間違いではないか？と聞いてみたが、そのおばさん、全く奇想天外な出で立ちはまるで病院に居る職員とは思えないミスマッチなんて生易しいものではなかった。。 顔の３分の２を占めていそうなでかい口に分厚い唇、そこに真っ赤な血のような口紅、黄色いノースリーブのシャツに、全くに合わないジーンズのショートパンツをはいている。 こう言うと何処にでもあるフィリピンスタイルに聞こえるが、ぶくぶくの自分の身体を無理やり洋服に押し込んだその格好は、丸々太った豚が子供もの洋服を無理やり着せられている様な気持の悪い出で立ちを想像するとかなり気分が出てくる、ノースリーブから出ているのは腕ではない、ありゃ前足だ。 年だって40にも成ろうと言うオバさんが着る洋服では無い、腹が立ってるから、その事も言ってやりたかったが、余計なお節介なのでやめた、そのオバさんが妙にかん高い声でそれで間違いは無いと言う、手術当日に話をして半金の30,000ペソを払った、その時の約束では残金が30,000ペソのはずだ、これでは話が違う。 っと言ったが治療費が余分に掛かったとか個室料金が余計に掛かったとか当初の計算書には薬代が入っていないとか言い出す始末、それは言っている事がおかしい、個室代も込みだと言っていたし、いまさら薬代が入っていなかったなんて通らないだろう。 っと又食って掛かった、とうとうおばさん最後には・・・それなら退院は許可しない、一般室に移動してもらいます、っと言って譲らない、キタネエ事を平気でやるのがフィリピン人だが、病院もその例外では無かった。 いつも日本人の負けで有る、本当はブンナグリたい心境をヤットの思いで押し殺して"金が足りない、小切手でいいか？"っと聞くとキャッシュ・オンリーと又一段とかん高い声、コンチキショウ！！もう我慢できネエ。 ベランメエが出た『てンめエエエ！いい気ん成りやあってコンチクショウ！ッ飛あすぞお！オイ！、こっちに出てきやがれ！、いってえ俺を誰だと思ってやんでえ、ウウウウ！』これにはブタババアも卒倒だ！。 丁度その時良いのか悪いのか、エミさんのお母さんが二階に有る個室から降りて来た、余り私が遅いので見に来たんだろう、私がイキマイテいるのを見て慌てて止めに入った。 私はブタババアにガンを飛ばし続けながら事の次第をお母さんに説明した、そしたら今度はお母さんが切れた、お母さんだってこんなブタババア何んかに負けないだけの太さがある、声だってブタババアの上を行くカナキリ声だ、今度は私に止め役のお鉢が回って来た、止めに入るしかしょうが無く成った。 フィリピンでは20,000ペソ以上の現金が足りなく成ると、とても面倒くさい、キャッシュ・ディスペンサーで下ろせる金額は１日20,000ペソが限度で有る、後は当座預金から引き出すか、取引先の支店まで行って現金を引き出さなければ成らない。 私の取引先銀行の支店は昔住んでいたエバスタに有る、そこまで行くか、取引銀行のキャッシュ・ディスペンサーを探さなければ成らない、当座預金は取引銀行以外では引き出せないからだ。 私はまだ鼻息の荒いお母さんをなだめて、"ブタババアに今銀行行ってくらア"と行って病院を出た。 この病院と同じ敷地内に不思議な事にホテルがある、ホテルと言ってもキチン宿に毛が２〜３本生えた程度のもんだが、実は元々は全部ホテルだった、その当時はメチャメチャきたねえホテルで余り客が来ない。 改装したくても客が来ないから改装出来ない、そして又汚いから客も来ないの悪循環標本みたいな事をやっていた所、たまたま病院を開業するのに土地を探していた奴と出っくわした、話がトントン拍子に進んで、半分病院、半分ホテルに成ったと言う訳、今じゃホテルも改築工事が終わり、見れる様に成った。 後で聞いた話である、私が病院から出た後、お母さんとブタババアが第２ラウンドをオッパジメたそうだ、そこへ大ブタのメアンが来て止めに入ったそうだが、私はメアンも余計な事をしてくれたもんだ、是非決着をつけて欲しかった、できればビデオを撮って置いて欲しかったと、心の底から残念で仕方が無かった、イヤ今でも未だ残念に思っている。 こんな事が有って目出度く退院をしたエミさんは家に帰って来ても、まだ何も出来ません、私はヤッパリ外食です、たまにお母さんが作ってくれる食事を、 イヤだと言って開かない自分の口に涙を流しながら無理やり押し込む、 自分一人で格闘しながらヤット飯茶碗の半分が減った時に限界が来る、 食後はくたびれて何もする気が無く成ってしまう。 私とは反対にドラは待ってましたっと大喜び、こいつあ何でも良いんだ。 さあエッペのケツが吉と出るか凶と出るか、後２〜３日だな。 今度はエミさんの入院先の近くバクラーランを何回かに分けてご紹介します、日本で言えば門前町、大きな教会の周りに栄えた古い町です。 今日はその１回目、写真をクリックで拡大します。 その4 エッペのケツが落ちてない！！ エミさんが退院して４〜５日目の朝、トラモから電話が有った『旦はん、コリャあきまへんでえ、時間掛かってしょもおまへんわあ、ウチの元居た若いもんな、・・・あのフォードの、２日間来させましてんけど、よう解らんちゅうてんのヤ、もう少し時間もらわれへんやろか？』 『そうか、解んねえかあ、・・・・よし！解った！オヤジに任せるって決めたんだ、いいよ、ゆっくりやっちくれ』 『ほな、よろしおまんな？・・・奴もナあ、毎日は無理なんやわ、日曜日んでもゆっくりみさせまっさ、何んとかカッコ付けまッさかい、待ってておくれやっしゃ』 仕方ない、オヤジは一生懸命やってくれてるし、又動かすのもメンドクサイ、しかも移した場所で簡単に直る保証も無いし、もう少しオヤジに頑張って貰うとしよう、っとその時は長期戦も覚悟していた。 それから次の日曜日の夕方、トラモから電話が有った、 『旦はん、解りましたで！故障箇所が！』 『解ったか！流石じゃねえか、良くやった、そんで何処が悪かったイ』 『リレー・スイッチでんがな！』 『リレー・スイッチ？・・・何んでイ、ソリャ？』 『私もよう解りまへんのでッけどな、なんでもエアサスには必ず着いているもんやて、ゆうてまんのや』 『そのオオ、リレー・スイッチてのは、どんな働きしてるモン何んだ？』 『エアサスちゅうのんは、ポンプで空気送るだけとちゃいます、空気を抜く働きもしよるんだス』 『空気を抜く？・・・そうか、それで高速の時は車高が低く成って、一般道じゃケツは上がる、って仕組みか』 『そうでんねん、そのリレースイッチが働いてバケットに空気を入れたり出したり調整しよるんやて、ゆうてましたわ。所が今付いてるリレースイッチはバケットに空気を送る時は働きよるんけど、抜く時に全部空気がのう成ってしまうまで行てしもて、途中で止まらなあかんとこでもスイッチが働かんのやそうだす』 『なるほど、そんでそのリレースイッチは直ぐ手にへえんのか？』 『明日の夕刻に持って来るゆうてましたさかい、着たら取り替えてみて、次の日の朝連絡入れまひょか？』 『そうだな、じゃあそうしてくれ、頼まあ』 私にはリレース・ウィッチが着いているかどうかなど解る訳も有りませんが、確かにエアサスの良い点は自由にサスペンションの硬さを変えられる所である、空気圧の調整でするので有るから、入れたり出したりしなければ成らないのは解る。 それをコンピュータで制御して、リレーでポンプを動かすだけでなく空気を出すのも調整していたと言う訳であろう。 っと言う事は、元々ポンプ等壊れていなかった、リレースウィッチさえ交換すれば済んだ事である、フィリピン人とはとんでもなく、どうしようもない人種なのか？っと考えざるを得なかった。 しかしまだ安心は出来ない、部品を取り替えて一日待って、それでケツが落ちなかったら安心しよう、それまで安心はお預けである。 そして火曜日の朝、今度は私からトラモのオヤジに電話した、 『オヤジ、俺だ、・・・どうでえ、えっペのケツあ落ちてネエか？』 『やあ、旦はん、えろう早ようおますなあ、わて、まだ工場ちゃいまんがなあ、あと30分位で着きますよってに、こっちゃから電話しますわ』 『何やってんだよ！もう８時回ってんぞ！』 『旦はん、うちとこ始まりは９時でっせ、そない焦せったらあかん！も一寸ゆっくりした方がええんとちゃいまっかあ？』 そりゃあオヤジの言う通りだ、今更あせった所で仕方がねえや、そう思い直して、待つ事30分オヤジから電話だ 『旦はん、OKでんがな、落ちてまへんでえ、しっかり上がってまっ』 『やあ、ありがとヨ、そんじゃ後で行くが、全部で幾ら掛かった？』 『旦はんが、こっちゃ来るまで計算しときまっさ、小切手で宜しまんがな、持って来ておくんなはれ』 私はその時正直、これでヤット肩の荷が下りたと安心した、此処までで２ヶ月半近く掛かってしまった、まあ遠回りはしたが直って良かった。 トラモへ行くとエッペのケツは確かに落ちてなかった。 事務所に入ってリレー・スウィッチを見せて貰った、大きさはマウスぐらい、厚みは２センチ程、電子リレーであった、請求書にはポンプ代、リレー代、修理費全て込みで32,000ペソだった。 何んとポンプ代は25,000ペソである、 『オヤジ、随分安いねポンプ、中古か？』 『旦はん、人聞きの悪い事言わんといてえな、新品だすがな！、ブランニュー！、そやさかい保証もチャント付いてんで、部品だけこうて来たさかい半年やけどな』 そしてリレーが3,800ペソ手間が3,200ペソに成る勘定だ、オヤジの弟子にはコズカイ上げといたからそれでいいと言う、オヤジに礼を言ってから 『ドラ！おめエスペゴンを家に置いてから、NAVYへ来い』 『旦那、だからタクシーで来ようって行ったじゃないスカ、そうすりゃこのまんま、エッペで行けたのに・・・言う事きかねえんだから全く、年しょお取ると頭ア固くなるってなあホントだ』 『うるせえ奴だなあ、おめえて奴あ、一々何んか言わなきゃ気が済まねえのか？つべこべ言わねえで、俺のゆう通りに動けばイインデイッ』 その日は11時45分にティーチングが入っていた、まだ時間は有るが、一度家に戻ってから来るのでは無駄である、それよりビリアモルに寄ってGMの新しい情報が入ったかどうか聞いてみ見たかった。 この瞬間から私の頭の中ではエッペのケツは一時期完全に消えていた、幸せな事に、まさかこの問題が再発するとは露ほども思っていなかった、しかし次に又エッペのケツで頭を悩まされるまで、ほんの2ヶ月も私の頭は休む期間が無かった。 実はそれからの方が修理完了まで長い道則を辿らなければ成らないのだが・・・・。 続く・・・。