連載手記『エッペのケツ』騒動記十五 |
第二章 エ〜エ!ウッソだ〜!!フィリピンの実像と疑惑 |
その16 決着は着いたそして又新たな不安が・・・ その17 最悪の事態(ジテエ) |
今日の新たな登場人物はいないので、メアンのお宝3人娘のご紹介。 お宝をクリックすると自己紹介します。 その16 決着は着いたそして又新たな不安が・・・ 異国人工場の隣に有る川の風景、フィリピンなら珍しくないが・・・。 クリックで画像拡大。 もっと詳しく見たい人はここをクリック オーナーが出て行った後、ガラス越しに見ていると、例の長面の兄ちゃんと話し始めた、彼の今の驚き様はもしかしたら本当に何にも知らないのではないだろうか?。 もし全て知っていたら、私が言う言葉は有る程度想像が出来たはずである、さっきの態度はまるで寝耳に水のそれである、もしそうなら、"ポンプは最初壊れていなかった"と言う私の言葉が気掛かりに成って確かめているはずだ。 聞いているのはエッペが工場に来た時の状態、キョンシーの事、そしてポンプの事等で有ろう、お馬さんが正直に答えるかな?まあ!フィフティー・フィフティーだな。 自分の事でないから確かに喋り易い、しかもキョンシーはもう既にここには居ない、もし自分がウソを付いてキョンシーをかばったりして、それがバレルと自分の立場が悪くなる、だから全て話しちゃう。 正直に話せない訳が有るとしたら、キョンシーと共謀して部品交換をした後、物をさばいて山分けした、これだと同罪だから絶対喋らない、しかしお馬さんはどう見てもそんな度胸はなさそうだし、中古のポンプ売って山分けした所でたかが知れてる、そんな金と職場を捨てるのを交換する程のバカではないであろう、又キョンシーだって同じ事が言える。 こう考えるとフィフティー・フィフティーじゃないネ、もしかしたらセブンティー・サーティーでしゃべるか?。 オーナーとお馬さんは最初身振り手振りを交えながら立ち話していたが、とうとう側の椅子に座って話しだした、5分以上イヤ10分近く話してる、やけに色の黒いフィリピン娘が飲み物を交換に来た、なかなか気が利いている。 もしお馬さんがオーナーに真実を、全て正直に話したとしたらどうなる?オーナーは"私が全て悪う御座いました、煮るなり焼くなりお好きな様に"っと出てくるか?それとも、"知らぬ存ぜぬ"を貫き通すか?まあ、後者でしょうね。 オーナーとお馬さんの長い話が終わった、こちらへ向かってくるか、っと思いきや、表の方へ歩いて行く、何処へ行くんだろう?見ていると、工場の外まで行って携帯電話を架けている、もしや?っと私の携帯でエミさんに電話してみた、思った通り繋がらない、オフィースの中では全く繋がらない、多分工場の中も通じにくいのかも知れない。 キョンシーにでも連絡を取っているのであろうか? それともポンプの値段でも調べてるのか?しばらく電話をしていたオーナーが、今度はオフィースに向かって真っ直ぐ歩いて来た、入ってくると私に『済みませんでした』っと中座を誤り、続けて『貴方の知っている修理工場は、幾らで修理すると言ってますか?』こう来るとは思わなかった私が今度は言葉に詰まった。 チョット待って下さい、っと言って工場に出て行きドラの側で考えた、相手に値段を聞かれるとは予想もしていなかった、確かにトラモのオヤジの所で、っとは思っていたものの、値段まで調べては居ない、適当に答えるしかないが幾らが妥当だろう?。 『ダンナ、どうしたんスカ?考え込んじゃって?』 『ちょっと黙ってろ、・・・そうだお前めえのダチ公に聞いて見てくれ、エッペのポンプがいってえ幾らするのか』 『奴が解るかなあ?』 『ムムム・・・・!ヨシ!もうイイヤ!』 そう言ってオフィースへ向かった、私の結論は27,000ペソ、根拠は、無い、がオーナーが出した金額が38,000ペソ10,000ペソ位は乗せてると踏んだだけだ。 『今確認してきました、27,000ペソです』彼は『そうですか』っと言って暫らく考え込んでいる、って事は満更当てずっぽうな数字では無かった様だ、彼が口を開いた。 『それでは3,500ペソだけ払って下さい、10日間もチェックしたのですから、これだけはお願いします』 『解りました、お支払いしましょう』 お馬さんは全部吐いた様だ、どう吐いたのかは依然として不明だが兎に角終わった。 もしオーナーがごねたら馬面にポンプを分解させ、どうしたらアームがこんな壊れ方をするのか彼に直接説明させようと思ってた、その後は成り行きだ、っとも思っていた。 ビジネスの話に成るとヤッパリフィリピン人と異国人は明らかに違う。 金を払った私に、領収書を書くと言うのをいらないと断ってから、工場に出てリフトで上げられているエッペの所へ行った、そしてドラに 『いいかドラ、エッペを運転してトラモのオヤジの所へ来い、俺は先に行ってる、ケツは落ちたままだからゆっくり来い、解ったな、それからエッペから目を離すんじゃねえぞ!イイカ!』 そう言い残してスペゴンに乗った私は、『まあ上出来だろう』っと独り言をつぶやいた。 トラモの工場へ着いてオヤジに、 『今エッペが前の工場からこっちに向かってる、20分も掛からねえで着く筈だ』 『どないでしたあ?、ようけ取られましたやろ?なんせ相手が悪おまっせえ、異国人やさかいな〜』 『そんなこたあねえよ、あのオーナーはそんなに悪には見えなかった、所でオヤジ、これからどうする?』 『ま、ゆっくり車見せて貰ろてから、考えますがな』 『そうだ、オヤジ、あのエッペのモーターはいってえ幾らッくれえするもんなんだ?』 『いましがたでんがな、フォードはんに電話架けて聞いて見たんだす、25000ペソやて!高こうおまんなあ!』 なるほど、そう言う事かあ、それで奴っこさん考えていやがったんだなあ、っと、さっきの事を納得した。 工場のオーナーはこう考えた、損する仕事ではないが、殆ど儲けが無い、それより今3,500ペソ貰った方が得だ、誰でもそう思う。 ソウコウしている内に、ドラも到着した、 『オヤジ、そんじゃ頼まあ、何日ぐれえかかりそうだ?』 『そうでんなあ、ポンプの交換だけやったら、まあ、二日、三日あれば、いけるんちゃいまっかあ?』 そうかあ、今日のオーナーとの話の具合じゃ、ポンプだけが悪いとは限らない、チョット問題だなあ、その時私はここの工場に入れた事が正解かどうか、かなり疑問に感じだした、ポンプで何とか直ってくれれば良いが、他の場所が悪いとしたら、このオヤジに直せるかな?。 私はその時、このオヤジを正直言って、かなり見くびっている。 その17 最悪の事態(ジテエ)!! マニラ新ターミナル工事風景、クリックで写真拡大 その年も11月に入った、エミさんは順調に回復して明日退院が決まっている、その日の朝トラモのオヤジから電話が入った『旦はん、エッペの事やけど、どうもポンプだけとちゃいまんなあ、まだハッキリりとした事は解りまへんけど、ポンプ取り替えても落ちよりますんや、ケツが』 こりゃあ考えていた最悪な事になった、良く無い予感は良く当ると昔から言う、朝から寝覚めの悪い事聞いちゃった。 『そりゃ弱ったなあ、どうすりゃ良い?』 『もうチイトいじってみまっさあ、もしそれでアカンやったら、私にも考えがおまっさかい、もう二日ほど頂けられまへんやろか?』 『解った、じゃあそうしてみてくれ』 こりゃあ、やはりもっと設備の整った工場へ入れなきゃいけなかったかな?。 キョンシーの野郎、検査の段階でミスしちまいやがったんだな、ちきしょう!直す所か余計壊しちまった事になるじゃねえか。 今更悔やんでも後の祭りだっ、て事は解っちゃ居るけど・・・・。 私はその時そんな事を考えている場合ではなかった、早く次の手を打たなければ成らない、ポンプの交換ぐらいはトラモのオヤジで十分だが、故障箇所を見つけるには荷が重過ぎる。 やっぱりフォードが一番かなあ、それともエバスタでエッペの修理が出来る所は有るかなあ?・・・・・まあ、先に手を打って置くか。 『ドラ!お前めえエバスタに行って来い』 『ヘイ!こんだあ何買ってくんです?ポンプあ、トラモでOK何んでやんしょ?』 『いいか、よっく聞け、ポンプは取っけえたが、まだエッペのケツあ落ちるらしい、こりゃポンプが原因じゃなかった、元々エンジン掛けりゃケツは上がってたんだから、ポンプじゃねえのは解りきってる、あの工場で壊すだけ壊しといて、ヒトッツモ直っちゃいねエ』 『悪い野郎だネえ!あの野郎は!』 『所がこねえだオーナーとサシで話したら、どうもあの野郎は何も知らねえ様だ、キョンシーが何んかのハズミで壊しちゃったってとこだ、そんでもってヤバイッ、てんでキョンシーは雲隠れだ』 『ってこたあ、キョンシーの野郎が直さねえで、余計にぶっ壊したってこッてすかい?ポンプを?』 『そういうこった、そりゃあ済んじまった事だから今更しゃんねえや、これからだ、問でえは、こうなったらどうもトラモじゃキツイ仕事に成って来た』 『えッ!トラモじゃ駄目ですかい?』 『あそこの設備を見てみろ、検査機械も工具も無ねえゾ、リフトだって無ねえ、そりゃあ潜りゃあでえじょぶだが、何んとも頼りねえや』 『そう言われりゃあ、異国人の工場の設備あ、殆ど完璧だったねえ、・・・・・じゃあ戻しますか?エッペ』 『どこへ?』 『異国人の工場へ』 『ばっきゃあろう!、何んで又異国人のとこへ持ってくんだよ?やっと話し付けて出したんだろが?』 『だって、設備が・・・』 『設備がいいのはあの工場だけか?しかもあそこで壊されて、金まで払ったんだ、俺りゃあ泥棒に追い銭したんだ、二度と入れるもんか!異国人とこ何んか!』 『じゃあ、どうすんでい!どこえ入れるてんでい!』 『お前めえが威張ったてしょうがねえだろう?だからさっき言ったろう、エバスタへ言って来いって、探して来るんだよ!、エッペをいじれる工場を!』 『なるほど、解りやした!、そんで今行くんですかい?』 『俺がでえぶ前めえにスペゴンをブッツケて治した所が有る、こねえだお前めえと一緒にエバスタに行ったの、覚べえてるか?、あの時もそけへ寄ったが、電話番号を聞くのうっかり忘れちまった、昔の事で今は解からねえ、先ずそけへ行け』 『解りやした、そんで何処に有るんスカ、?何て名前スカ?、何を聞きゃアいいんスカ?、早く言ってくんねえ!』 『解ったよ、大体の地図はここに書けえてある、そけへ行ってエッペの状態を話して、治せそうか聞いて来い、工場の名前めえはエスタバ・モータースだ』 『ダンナもいいかげんだアッ、ネエッ、、忘れたってイイケんド、もちょっとましな名前めえ考げえらんねえもんかねえ、エスタバ・モータースだってヨ、笑っちゃうね全く!バ後ろに持って来ただけじねえか、・・・なんだっけ?こねえだもそうだったあ、ネッ!覚えてヤスヨ、あっしゃあ、お客さんをキャット・ドッグだって言ってやがった、いい加減んもいい所こだ、でしたよネエ?ダンナ!』 『お前めえ、今日はやけに気が立ってんねえ、・・・・さてあ、まだアサメシ食ってねえな?』 『食ってねえっすヨ!エミさんが入院してっからこのかた、こっちの腹の具ええが満タンに成ったためしがねえや、明日でしたねッ、退院は?』 『そうだよ、明日だよ、つべこべ言ってねえで、解ったら行って来い!飯なんか途中にいくらでも食える所あんだから!』 ドラを出してから、トラモに様子を見に行って来るか?その時さっき電話で何か言っていたのを思い出した、オヤジにも何かか考えが有るような事言っていた、いったい何だろう?。 続く・・・・。 |