フィリピン江戸っ子談義
第一章 大ハマリ
写真はスクウォーターの中のクリスマスです。 (もっと詳しくは此処をクリック



その1 しっかり者んで義がてぇリミちゃん


「違ぇよう、話しん中ん場所ぉだぁな、今リミチャンと 飛行機でフィリピンに行く途中だろが? 忘れたんか?。」
「チョット待てよ!そうか!そうでぃ、 スポ野朗の話に脱線してたんでぃ。 いってぇ何処迄だったんかな〜、話しゃぁ?。」
「ほうら!初めてリミチャンと会って日本語が 上手かったっちゅう思い出話しんとこ。」

「そうっだったなぁ、そう言やぁリミちゃんは客取りにゃぁ 一生懸命じゃあ無ぁった。その割にゃぁ仕事も真面目で Y公の言う事にゃぁいやたぁ言わなかった。」
「いつだったか、こんな事が有ってぃ、Y公の話しんだが、 有る時トイレで女の子が泣いてた、そん子も日本ぁ 初めてだ、Y公が気が付いて"どうしたぃ"って 聞くてぇと、今付いてる客がしつけぇ、やたら触りまくる、 もう戻るなぁ嫌だって事った。
そん客ぁ店じゃぁ初めて 見る顔だが、正体てぇはまだ有るが、かなり出来ゃぁが ってらぁ。

しゃんねぇんで今空いてる子は・・・って見るとリ ミチャンだけだ。Y公は迷ったが仕方ぁねぇ、リミチャンを 呼んで言った、"チョットしつっけぇ客だけんど頼まぁ、 こっちで注意して見てっから大ぇ丈夫だ、もし、どしてもし つっこく触って来たらヒッパタイちゃえ、"Y公は笑ぇながら 冗談まじりでリミチャンを元気付けた。

その客んにも注意を言ってリミチャンを紹介ぇした、暫くす るとピタン!と言うでけぇ音、如何したんでぃってY公が見 るてぇと、リミチャンが立ち上がって客と喧嘩してらぁ、 さっきの音はどうも客を引っ叩てぇた音らしい。
Y公がすっ飛んで行くてぇとリミチャンはまだ怒ってる、 タガログなんで解らねぇ、どっちしたって客がスケベした に決まってらぁ。その客には帰ぇって貰ったそうだ。」

「立派ちゅうか、スゲー、ちゅうか・・・。しっかりしてんねぇ リミチャンは。」
「まだ有る、リミチャンに(客)きゃっから指名が入ぇった。 Y公が呼ぶと、嫌だっちゅって動かねぇ、普段我が侭ぁ あんまし言わねぇのに今回けぇに限って首を立てん振 らねぇ。
Y公も怒った、そらぁ許されねぇ事っだ、1人許 しゃぁシステムががたがたんなっちまぁ、 Y公は店じゃぁ話せねぇんで奥ん事務所へ連れてった、 理由は、ほかん子の客だしトラブルはいやだ、指名の 子も可哀想だ、てぇこった。客かぁ誰を指名しようと自 由だ、途中変更可、そんな事は女の子全員知ってる。

我侭ぁ許せねぇ、っとY公が怒ったが今度ぁ梃子でも 動かねえ。
知らねぇ客じゃあねぇから、今回ぇは場内 ねぇ指名にして、前ぇの指名の子と一緒にって事つに してその場を納めた。 後で詳しく聞いて見るてぇと、リミチャンはその子に 前ぇから相談を受けてた。

そん子は自分の客が指名 を変けぇたがってるらしい、どうしたらいいか?てな。
自分に指名が来た時きゃぁビックリした、如何したら いいんかわかんねぇが相談に乗ってあげといて自分 が行ける訳がねぇ、ってこった」
「な〜る程ねぇ〜、気の強い面と儀がてぇ面を持っ てんだねぇ、リミチャンは。」

「フィリピンまでぁまだ時間があらぁ、 今んまでぁそりゃぁ色んな事つが有った,金○縮み上がった 事っとか・・・、向こうで有った今だから話せるってぇ事を話 そうかい。」
「そりゃあ聞きてぇが、フィリピン迄たってお前ぇ今飛行機な んかのっちゃぁいねぇじゃねぇか、何言ってんでぇ。」
「お前ぇさっき言ったなぁ、俺ぁ今飛行機ん中って。」

「もぉ何んでもいいや、お前ぇさんと話してっと、頭がこんがら がって来ていけねぇや、話しん中の今と今の今と区別がたたねぇ。 所で俺らぁ言った事つがねぇんで聞くっけんど、一っ言っで言って どんな国でぇ、フィリピンって。」
「何ごちゃごちゃ言ってんでぇ、 一言っ、てなぁ難しいが、強いて言やぁまぁこんなもんかな。」
「なんでぇ、そりゃあ、最初はグーか?、自慢じゃあねぇけどジャン ケンだきゃぁ強えよ、勝ったらなにくれる?。」  
「ってゃんでぇ、何が悲しくっておめぇとジャンケンしなきゃいけ ねぇんでい、空気つかんでんだよ!にびぃ野郎だな全く。」

「なんでぇそらぁ??。」
「まあ、掴み所がねぇ、ってこった。ヨッチャン、解ったかぃ 一っ言っで。」
「ってやんでぇそんなもん誰だって解る訳 きゃぁねぇじゃねぇか。」
「だろうな、そんじゃぁ普通の話 じゃぁつまんねぇだろっから、特別に裏っかわの話をして やらぁ。」
「へぇ〜、面白そうだねえ、是非お願げぇしてぇ もんでぇ。」


その2 ズバッとチャイニーズ!!


「所で一つ聞くが、フィリピンは誰が仕切ってかしてっか?」
「何でぇ藪から棒に、フィリピンを仕切ってるなぁそりゃぁ フィリピン人の誰かだろうが誰だかぁ解んねえけんど・・・、 そだ!でぇ統領だ!当たりだろう!ざまぁ見やがれ!俺 だって判からぁそん位ぇの事ぁ。」
「って言うと思ってたぃ。」
「って事ぁ違ぇってか?そんじゃぁ解んねぇや、いってぇ誰な んでぇ?。」

「フィリピンを仕切ってんなぁ、フィリピン人 じゃぁねぇ!」
「カッツアン、冗談いっちゃぁいけねぇよ、 フィリピンを仕切ってんなぁフィリピン人じゃぁねぇんなら、 いってぇ何処のどいつが仕切ってるてんでぇ?。」
「チャイニーズ!!。」

「ほぉぉ、ズバっと来たねぇ一っ言っで、その 訳ぇ聞かして貰おうじゃぁねぇか。」
「こらぁ俺っちの想像だが根拠ぁ有る、話しゃぁ長くなるといけねぇ から、簡単に話すが、サンミゲルビールを頭にフィリピンの上場 げぇ社の70%以上が実ぁチャイニーズ系の会社だ。
金が有りゃぁ政治ぁ動かせる、政治が動かせりゃ国を動かせる ってもんだ。」 

「なぁる!そりゃぁ解りやしぃや、するてぇと何かぃ、 フィリピンを仕切っているなぁチャイニーズってこたぁ解ったが、 フィリピン人は納得してんのけぇそんこたぁ?」
「一昔ん前ぇじゃぁフィリピンはアジアの優等生って言われった、 政治を握られてからぁまず教育改革が置きん去りんされた、 こらぁチャイニーズの仕業たぁ直接分かんねえ、実ぁ何処ん国でも そん国ん将来れぇは教育に掛かってら、家庭だって同んじでぇ、 子供にろくな教育もしねぇで居て見ろ、将来れぇ何て知れてらぁ。

国が教育を(蔑ろ)ねぇがしろにして見ろぃ、いつまで経っても国の 発展なんておぼつくもんけぇ、チャイニーズにゃぁこうする事が 必要だったのよ、言い変ぇりゃぁチャイニーズに乗っ取られて いるって事っが解る様な教育をさせねぇてこった。」
「なぁるほどねぇ、頭良いねぇチャイニーズぁ、てぇとこれっからも チャイニーズが永久に仕切ってくって事けぇ、それでフィリピン人は 何ともねぇんかぃ?自分の国ぃ乗っ取られちゃって。」

「それも有るが、今と成っちゃぁどうすっ事も出来なくなってんで。」
「冗談いっちゃぁいけねぇやな、そんな事が有ってたまるもんけぇ! 今からだってフィリピン人が一生懸命やりゃぁ何とか成るってもんだ。 しかし何だねぇフィリピン人に取っちゃチャイニーズは 癌見てぇなもんだな〜。」 
「ヨッチャン、そりゃぁ間違げぇだ、癌ちゅ 物んは人間の体に巣食って、だんだんゆっくりと体を蝕んで行かぁ。」

「ほれ見ろや、ヤッパ癌じゃあねえか。」 
「まあ聞けや、病が進みゃぁ 死んじまぁな、所ぁ良っく考げぇえて見ろや、人間が死んだら癌も一緒 に死んじまわぁ、癌は手前めぇが生きる為に縄ぁ張り広げてるって訳 だ、しかしそりゃぁ手前めぇの命も縮めてるってこった。
病原菌なんちゃぁみんな同んなじでぃ。」 
「って事たぁ、チャイニーズ がいっくら縄ぁ張り広げったってフィリピンは死なねぇって事っか?。」

「チャイニーズにしたってフィリピン有ってのものだねだぁな。いっくら 金持ってたって政府に無理難題でぇ押し付けるばっかりじゃぁ、反感 だって湧いて来るってもんだ。
何んたって母体てぇが死んじゃっぁ元も子も無く成っちまわぁ、 奴らが縄ぁ張り広げるったって、限度が有らぁな。
だがよヨッチャン、油断は出来ねぇ、実ぁフィリピン政府ぁ チャイニーズに(大事)でぇじな肝っ玉ぁ握られってんだ。」

「へ〜!いってぇ全体てぇどんな肝っ玉なんでぃ。」
「よっく聞けよヨッチャン、こらぁ俺ぃらの全くの頭ん中の こったが、チャイニーズの資産はフィリピン全体(ぜんてえ)の半分 以上にも成ろぉてもんだ。 出来る出来ねぇはさて置いて、こいつぉチャイニーズが 全部引き上げて見たとしてみねぇ、フィリピンはどう成ると 思うヨッチャン?。」
「そりゃお前ぇもう、国が成り立って かめぇや、しかしおっ恐ろしい力持ってんだねぇチャイニ ーズぁ、こりゃぁフィリピン人もおちおち寝てらりゃぁしねぇや。」

「でもさ心配ぺぇすんねぇ、さっきも言ったろ、母体(ぼてえ)が無け りゃチャイニーズもへちまも有ったもんじゃぁねぇや。
その辺の塩梅(あんべえ)が上手く行ってるて訳よ。」
記 1999年5月(写真撮影日2006年12月25日)

続く・・・

第八話 
フィリピンホントの裏話