プロとアマの決定的な違いって何でしょう???
プロとアマの決定的な違いを教えます。
ゴルフを職業としているプロゴルファーとゴルフを職業としていないアマチュアという事ですが、ここで
言うプロは極一般的に言う誰もが認めるプロフェッショナルを指し、アマチュアとは全てのアマチュア
を指すものでは有ません、もっと解り易く例えるのなら、世に言う一流プロとまだビギナーと言われて
いるアマチュアとお考え頂いても結構です。

なぜならアマチュアの中にはプロをも凌ぐプレイヤーも沢山いますし、プロフェッショナルの中にはプ
ロと言うには烏滸(おこ)がましいと思える人もいるからです。

それでは本題に入ります、プロとアマの決定的違いには幾つか有ります、がここでいう違いはショット
そのものの技量ではなく、内面的な心の持ち方やゴルフに対する考え方の違いです。

(まず第一に『注意力』。)
ショットやパットをする時の全てを含んだ状況判断のプロとアマの違いです。具体的に説明しますと
ショットをする場合、プロはどんな事を考えてクラブ選択をしているかと言いますと、ターゲットまでの
距離は勿論、風の向きや強さ、ボールのライの状況、ターゲットまでの高低さ、ターゲットの周辺の
状況、もしターゲットがグリーンならば何処へどんなボールでショットするかです。

そして足し算引き算をするのです、プラス、マイナスは人によって違います。
有るプロは同じアゲインストの風で10ヤードプラスしても、他のプロは15ヤードプラスして考える事等
当り前の事で、プレイヤーの持ち球や心理状況、得意不得意など全てが条件になります。

プロがどういう事に注意して状況判断をしているかの一例をご紹介致します、私がトーナメントの時に
実際に遭遇した状況をモデルにその時の状況を復元して見ます。

コースはフィリピンのカビテ州にある、リビエラCC、ランガーコース、10番553Yパー5、サードショット
の復元です。

(状況)
グリーンエッジまでの距離150Y,風は右からの弱くは無いが強風ではないアゲインスト、グリーンま
ではややきつ目の上り、ライの状況はラフでボールは見えている、力の有るプレイヤーならばフライ
ヤーを利用して打って行けるでしょうが、私には無理な程ラフは浅くは無い、グリーン左にバンカーが
有りここには入れたくない、ピンはバンカーを越えた一番奥でグリーン手前エッジから25Y、グリーン
を超えて30Y先はOB。

(計算)
風で10Yのプラス、打ち上げで15Yプラス、ラフの抵抗で10Yプラス、グリーン上の距離を20Yプラスで
は一寸左に行くとバンカーに捕まるのを避け、オーバー目に30Yプラス、この全てを計算するとプラス
65Yのとなり、合計必要飛距離は215Yです。

(クラブ選択)
この時選んだクラブは、私のキャリー210Yの4番ウッドです、ランの計算をすると一寸グリーン奥にこ
ぼれるかなと覚悟をしていました。いざアドレスをして見るとオーバーしてOB迄行ってしまわ無いかと
いう気持ちが沸いてきました、何しろ距離150Yに4番ウッドを握っているのですから、もう一度計算し
直して4番ウッドで間違いない事を確認してからショットしたボールはピン奥1mに止まりました。

ただショットした瞬間草の抵抗が思ったより有りショートしたかと思ったのを覚えています、その地点か
らはグリーン上が見えないのですが、グリーン手前にオンしたボールはランが丁度良かったのだと思
います。

(第二に『集中力』。)
言わずもがな、ショットする瞬間の心理状態です。
私の場合、集中が出来ないままショットすると100%に近い確立でミスをしますが、これは殆どのプロ
も異口同音を唱えるでしょう。それでは『集中してる』とはどういう状態を言うのでしょう、「集中してい
る時は何も考えていない」と言う人がいますが、何も考えていない状態とはどういう事か私には理解
出来ません。

これも私の場合ですが『唯一つのことだけを考えている状態』が集中してるのだと思います。実際には
集中している瞬間に、「自分は今集中している状態だ」と感じるものでしょうか?そう考えた瞬間、集中
していない状態に戻ってやしないでしょうか?。
何はともあれショットの瞬間は集中出来るようにしています。

それではプロがショットする場合何に集中しているのでしょうか?、
これはプレイヤーによってそれぞれ違うと思いますが、少なくともボールを見る事に集中していると答
えるプロは少ないと思います。

色々なプロに聞いて見ますと、スウィングの中の一番注意している点を一つだけ考えている、
と言う答える人もいますが、私の場合はおそらくプロの80%近くは同じ答えだと思うほどプロ
の間ではオーソドックスな集中の仕方ですからご紹介致します。

集中する一点は、テイクバックの瞬間から、20Cm迄クラブヘッドがインサイドへ向かって動く時です、
何を考えているかと言いますと私の場合は左肩でスタートする事に集中し決して手が先行しない様に
それのみを考えています、その他の事はスウィングの事等一切考えていません、そしてその後はフィニ
ッシュまで一気に振り抜きます。
その他選手によってはクラブの重さを左手1本で感じられるように、とか、円を書かずに真っ直ぐインに
引く、とか、フェイスの向きをスクウェアーにっとか様々ですが、集中する所は同じ、アドレスのスタートか
ら20cmです。

ではなぜ私は『左肩・・・』で、なぜその他の点や『スウィングの中の一番注意している点』ではなのか、これ
には理由が有ります。勿論私の場合ですから正しいとか間違っているとかの話では有りません。
私がスウィングの事を考えると、不安が涌いてきてよけい集中出来ないのです、それと『スウィング中
の一番注意している点』はその時により変化します。

それよりももっと単純で、私のスウィング上不変な部分を考えた方がいつも同じ状況に自分を置き易
いと思っての事からです、実はこの集中出来る状態に自分自身を持って行けるか否かはトーナメント
で戦うことが出来るか出来ないか位プロに取ってはスウィングを造ると同様重要な事なのです。

余談になりますが、目の前にある池はプロにとっては何のプレッシャーには成りません。
ターゲットの前後にある障害物は越えない位高いもの、ターゲットの前後20Yに有る池やOB等のハ
ザード、丁度落下地点に有る左右の池や自分の距離一杯で越える池、等はプレッシャーと成ります
が、前の池や、谷などは全くプレッシャーには成りません。

(第三に『考え方』。)
それではプロもプレッシャーを感じるハザードや障害物に向かう時、どの様な心の処理をして、集中力
を高めているのでしょう?。

プロと言えども人間です、自分の可能性ぎりぎりに挑戦する時は心の動揺も有ります、状況は千差万
別プロにより違いますが、例えば300Yキャリーが打てる人には220Yの池など何のプレッシャーにもな
りませんが、私の場合ドライバー飛距離が230〜240Yしか出ない人にはプレッシャーと感じます、しか
し210Y程度なら私はプレシャーを感じません、現在ドロー系のボールを持ち玉にしている私には、右
のOBはプレッシャーに成りませんが、左にある場合はプレッシャーまでいかなくとも気は使います。

少し余談になりますが、一時こんな事が有りました。
もう5年位前の事ですが、バンカーがプレッシャーに成った事がしばらく続いた時期が有ったのです。
その期間どう言う訳かバンカーショットをするとヘッドアップするように成りました、勿論何とか頭を残
そうとするのですが駄目です、練習も嫌になる位しましたが練習では1度も頭が上がる事は有りませ
んが、本番ではやっぱり上がります。

これも一種のイップス病、パッティングやアプローチのイップスは有名ですが、実はゴルフのスウィン
グ全てにこのイップスは顔を出します、有る人はドライバーを持つとクラブが下りて来なくなったり、
アイアンでも特定の番手を持つとこの病気が出たりする人を見ます、実は私はこのイップス病にか
かっていたのですが私にはその実感が有りません。

この時ほどバンカーが怖かった事を経験した事が有りません、私はショートゲームにはパットを含めて
かなり自身を持っています、バンカーからカップインを狙って打つこともある位です。
その私がバンカーを徹底的に避ける様になりました、何しろバンカーに入ったら一回で出れば万歳の
状況です、下手すると2回も3回も打たなければ成りません、私にとっては池よりも怖い存在のバンカー
を見るとそのプレッシャーは大変なものでした。

バンカーを徹底的に逃げるようにする事も手ですが、しかしこう成ると全くスコアーには成りません、
しかもいつまでもバンカーを逃げていたのではプロで居る事さえ危ぶまれます。
私はバンカーを避けるのでは無く、自分のショットをする事に集中しました、そして納得いくショットが
できたのならバンカーへ入っても良い、入ったら仕方がないと諦めるっと決めてトライし続けました。

幸運な事に一ヶ月ほどたってその病気はどこかへ消えてしまいました、克服したと言うよりいつの間
にか直っていたっと言う感覚です。
話を戻しましょう、プロがプレッシャーを感じた時、どうやって乗り切るかですが。
これも私の場合ですが、プレッシャーを感じると、雑念が入り、集中力が高まりません、
そのまま打てばかなり高い確率でミスショットが出る事は経験で分かります。

こう言う時に以前バンカーの恐怖を克服した経験が物を言います、バンカー克服はどうして出来たか
と言いますと、その時考え方を変えました、バンカーに入れたくないと逃げていた気持ちをバンカーに
入っても良いと覚悟して、その代わり良いスウィングをする事だけに集中しました。
とは言え最初は怖いものですが逃げて解決できる事ではないと自分自身に言い聞かせて、続けてい
るうちに病気は何処かへ言ってしまいました。

これと同じ心境になる事が私のプレッシャー克服術です、ハザードを逃げずに入っても良いと考えを変
えます、ただこれは本当にそう思わなければ駄目で口で唱えるだけでは効果は有りません。
そして次にその代わり良いスウィングをする為に集中するのです、ハザードに入っても良いと決めた訳
ですからもう心配は何も無いのです、これならば何時ものショットが出来るはずです。
そしてハザードに入ったらスウィングの反省をし、入った事には納得出来るはずです。
プロはプレッシャーを克服する何らかの解決方法を持っているはずです、皆さんの試して見てはいか
がでしょう。

以上プロとアマの決定的な違いを述べましたが、勿論これは全て自分のスウィングに自身を持ってい
ることが大切な要素です、しかし少なくとも100Yや150Yの池を越える位の飛距離を持っている人なら
ば考え方を変えるだけでショットは変るものです。

普段の練習中にもこの訓練は出来ます、練習の時多くの生徒は良いボールを打ちたがります、遠く
へ飛ばしたがります、クラブフェイスの芯で捕らえたがります、そしてその期待を裏切られるとただ何故
だろう、何処が悪いのだろう、と躍起になり又ミスショットの繰り返しです。

極当たり前の様な事ですが、これが大間違いなのです、自分の心の中から欲望を捨てなければ成り
ませんたかが練習場じゃないですか、ここで素晴らしいボールを打ったとしてもただの自己満足しか残
りません、それよりミスショットにこそ上達の鍵が沢山含まれているのです、皆さんミスショットをしたく
ない気持ちを捨てて自分のスウィングに集中して練習に励んで下さい。
お役にお立てましたでしょうか?

記 2007年1月