こらぁチョイトでかい問題を起こしゃあがった。」 「又かい、しょうがねぇ野朗だね、そいつぁ。」 「ヨッチャン、そらぁ勘違げぇだ、 リミちゃんの事件よりもっとずっとめぇの話しだ。」 「あっそうか、話の後先がこんがらがっちゃたい、 で、何でぇ、スポ野朗の起こしたデケェ問題ってのは・・・?」 記 1995年5月 |
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十人火消といわれる定火消を命ぜられると幕府から 屋敷が与えられ火消屋敷に住んでいた。この火消屋敷 には3丈(約10m)の火の見櫓と半鐘が設けられ, 他の武家屋敷と格差をつけられていた。 いざ火事となるとこの絵のように美麗な火事装束で 馬に乗り家来,火消人足を引率して出場した。 このため門を出るときつまづかないため門に 敷居のないのが特徴で,この絵は定火消が火消屋敷 から出場する様子を画いたもので,定火消同心であった 広重ならではといえる絵である。 |
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江戸の華火事 江戸火消しの活躍 |
火事場見廻役は,寄合席から選ばれる若年寄配下の幕府の役職で, 天保7年(1836年)3月に10名が任命されたのが始まりで, 同9年本所深川の2名が追加任命された。その役目は火事場において 火消達の進退を左右するほどの力をもっており,御使番とともにその 進退につき相計ったといわれるが,その様子を画いたもので,繰出する 人員,火消の増強,消口の指揮などに当ったもので,役高は持高で あったことから御役ではなく御奉公といったといわれる。 |
“十人火消”とは,江戸城防禦のため 旗本に命じて定火消隊を江戸城の周辺 に配置していたがこれが10ヵ所で あったことから定火消のことを十人火消 ともいった。定火消は,火事の場合最 も活躍した幕府が設けた火消部隊で, 竜吐水,玄蕃桶,水桶などの火消道具を 常備し,火消人足(ぐわえん)を常に 待機させ,いざ火事となるとまっ先に 駈付けたもので,町火消とともに火消 時代の花形であった。この絵は定火消 が勢揃いし道具を整え火事場に出かける ところを画いたものである。 |
幕府の政策で全国の諸侯は,江戸に屋敷を設け 妻子を住まわせていた。これらの大名の屋敷は, 上屋敷,中屋敷,下屋敷といわれて江戸市中, 周辺にあったが,これらの諸侯は日頃から屋敷の ある場所を受持ちとする火消達に,火事のときは 宜敷く頼むと頼んであったものであった。この絵は, 諸侯の屋敷の近くが火事になると火勢のいかんに かゝわらず駈付け,見舞ったり,警戒したり, 火事が近づけば消火にあたるという諸侯と火消達の かゝわりを画いたものである。 |
“火事と喧嘩は江戸の華”といわれたように 江戸は火事が多かった。この頃は,一度火事 になると大抵は大きく燃え拡がり大火になる ことが多かった。また,火事は江戸の庶民を 最も苦しめたものの一つで,当時は木と紙の 町並で,これといった火消道具もなく,延焼 を防ぐのに破壊以外有効な手段がなかった時 代である。この絵は,「火事だ!」という声 と半鐘が近火を知らせる音に目覚め,あわて ふためいて家財道具,貴重品などをまとめて いる庶民の火事における姿を画いたものである。 |
幕府の政策で全国の諸侯は,江戸に屋敷を 設け妻子を住まわせていた。これらの大名の 屋敷は,上屋敷,中屋敷,下屋敷といわれて 江戸市中,周辺にあったが,これらの諸侯は 日頃から屋敷のある場所を受持ちとする火消達に, 火事のときは宜敷く頼むと頼んであったものであった。 この絵は,諸侯の屋敷の近くが火事になると 火勢のいかんにかゝわらず駈付け,見舞ったり, 警戒したり,火事が近づけば消火にあたるという 諸侯と火消達のかゝわりを画いたものである。 |
御使番は,若年寄配下で才知のす ぐれた幹部候補級の旗本から選ば れた幕府の役職で,役高は千石位 で60人が定められた持場で活躍 した。火事のときは現場の様子を 老中に知らせるため馬で火事場と 城中を往復し,その報告次第では 火消達の進退を左右するほどの力 をもっていた。また,御使番は馬 術の妙技が要求され,陣笠の裏に 金を塗ってあったことから江戸の 町民は“裏金が来たぞ!!”と道 を開けたという。この絵は家来を 引連れ火事場に急行する御使番の 様子を画いたものである。 |
自身番は,江戸の町の各町毎に 1ヵ所宛設置し警戒にあたった もので番所ともいわれた。 天保年間の文書によると, 自身番は大きな町または2〜3 町の組合で設置したものには 番人が5人(家主2人,番人1人, 店番2人,昼は半減)いた。 小さな町では3人,幕府から命 ぜられた場所には7人の番人が 勤務しており絵のような簡単な 火の見櫓があり,火事や非常事態 には規定の打方で 半木を打ち町内の人々に知らせた ものでその様子を絵にしたものである。 |
江戸城を中心に配置された大名,旗本の屋敷は, 火事になると夫々の役割が予め定められていた。 火事場に駈付け老中に報告するもの, 火消の進退を指図するもの,消火に従事するもの など戦場さながらに家来を引率してその任にあたった。 特に大名には,幕府の重要施設の火消役が任命され, 使いに出した御小姓の報告により受持ちの場所に 火消道具一式を持って駈付け警戒にあたったもので, これを所々火消といい その様子を画いたものがこの絵である。 |
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「時間はまんだたっぷり有らぁ、皆んな腹減った、ってんで2階の食堂へ行った、 ヨッチャン知ってんだろう、色んな屋台見てぇのが集まってる食堂。」 「だから知らねぇって言ってんだろう、しつっけぇなぁ、俺ぁ海外旅行何んざぁ行 った事ぁねぇの!、だから成田も知らねぇの!、解った!!?。」 「悪りぃ悪りぃ、そうだってねぇ、江戸っ子だってねぇ、神田の生まれだってぇじゃ あねぇか。」 「てやんでぇ、関係ぇねぇじゃあねぇか。それに俺ぁ神田の生まれ じゃぁねぇよ、知ってるくせしゃぁがって。」 「飯も終わって、さぁそろそろ行こうかってんで会計カウンターに向かった時でぇ “いっけねぇ、こらぁてぇへんな事やらかしちゃったい、ヨッチャン冷や汗ったぁ ホントに出るってんが初めて分かったよ。」 「如何したいカッツアン、そんなに慌てて?」 「ってやんでぇべらぼうめ、今慌ててんじゃあねぇよ、あせったなぁその 時の話でぇ。」 |
「考げぇたなぁ又オヤジだ、しゃぁねぇや、こいつしか居ねぇんだから。 “おい、オヤジ!おめぇ幾ら持ってる?”“何でぇ藪から棒にカッツアン?” この顔を見るのも5度目だ、最初ぁ面白かったがもう飽きた、 “いいから幾ら持ってんか正直に言ってみな、嘘付くんじゃあねぇぞ” 訳も分からず、出したね、金を、確か2〜3十万有った、札を数えて1枚だけ けぇす、全部取ったらオヤジが帰りに困らぁ。“カードは、それも全部出せ” “カードもか?”情けねぇ顔して1万円を受け取ったオヤジぁ観念したのか カードを出した、その中に1枚有った奴を“オヤジ、こんカード使って ねぇんか?” カードを見せると“来たばっかりで使ってねぇけど何んで判ったぃ。” ”裏のサインがねぇじゃねぇか“と言いながらオヤジが ”何すんだよう?“とビックリするのを承知で自分のサインを しちゃった。」 「何だい、追いはぎだね、それじゃあ。」 |
「オヤジも同じ様な事言ってた、全部終わってから、 “オヤジ、さっき俺んちへ一緒に行ったな、 そん時俺ぁパスポートとチケットをポケットに入れた”そこ迄言う とオヤジが“解ったカッツアン、財布テーブルに置きっぱなしだ! 俺あ見たよ、カッツアンが下へ行ってる時。“ オヤジは諦めるっきゃねぇのをいやいやんながら理けぇした。」 「な〜る程、女の子と同乗しなけりゃ電車かバスだ、 財布がねぇのはもっと早く気が付くって事かぁ。」 「肩ぁ落とした二人はけぇり、俺とリミちゃんはにこにこと入管だ、 搭乗しておどれぇた、全くあきゃぁねぇ超満員だ、でも今日は うんざり何かしやしねぇ、離陸後しばらくすっとお世ん辞にも 旨めぇとは言えねぇ機内食が機械敵に配られる、 腹いっぺぇの二人は受け取らなかった、その為にさっき食ったんだ。」 「そんなにまじいのか?機内食。」 「そんな事ねぇと思うよ、ヨッチャンにゃぁ。」 「どう言う意味でぇ、そりゃぁ?。」 「食うものが無けりゃぁ何でも旨めぇってこったよ、そうだろう?。 |
リミちゃんは疲れ果てて眠っちゃった、 俺ぁやけに忙しかった今日の事を思い出して、なかなか寝付けねぇ、 隣で寝ているリミチャンの顔を見てるてぇと初めて会った頃を思い出した。」 「そうだ、そう言ゃあリミちゃんとは永げぇんだろう、向けぇで会った事も 有るらしいじゃあねぇか?。」 「オヤジの店がオープンした最初の女の子ん達ん中に居て、 そして俺が最初のお客さんだ、オヤジの店もそろそろ1年半だ、 俺もそん頃にゃあ既に30けぇ位れぇフィリピンへは行ってた、 ったってほとんど3泊4日のツアー旅行だ、タガログだって あんまし出来ゃあしねぇ、所が初めて日本に来た割りにゃあ、 おやっと思う程リミちゃんは日本語が上手かった。 日本は2回目ん子が2人居たが上手なのぁ当たりめぇだ、 リミチャンはそれと遜色ねぇ。」 「向こうで勉強したんじゃあねぇか?、日本に行くってんで」 「チョットちゃうんだ、 大学では日本語学科専攻で1度は日本に来たかった、 だからこの仕事を選んだってこった。 |
「チョット待ってくれよカッツアン、 俺の知識ん中にゃあジャパユキさんは貧困家庭に決まって る、大学どこっか高校だって、へたすりゃ中学だって危ねぇ」 「俺も事実何んけぇか向けぇへ行って見た、彼女ん達の家は 押し並べて貧困家庭だった、話を聞いた時にゃ繭に唾付け ずにゃあいられ無かった。 独学だってやる気ん問題で上手くぁなる、向けぇのカラオケ バーに居る子は日本に来た事もねぇのに結構日本語を 喋る、生活の知恵ってもんだ、でもその手じゃあねぇのは 客あしらいを見りゃあ判った、お水は間違げぇ無く初めてだ。」 「成る程ねぇ、向けぇへ何度も行って無きゃあ分かんねえ 事ったな〜。」 「せぇ初に付いた子だし、タイプも嫌れぇじゃぁねぇ、 取っけぇる必要がねぇからそのまんま指名に決めた。 同伴も週2けぇ位れぇはしたが、それ以上には成ら無かった。 さっきのスポ野朗も平行活動だ、そのスポ野朗が、 |