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そいじゃ先行かして貰うとしてっと・・・・。 頭の狂った野朗がいるっくれぇに他人にゃぁ見えたっかもしんねぇけんど、 そんなこたぁお構めぇなしだ、そん場でぐるぐる回りなあら考げぇた、 そして何ん10回けぇか回った後だ、流石の俺様だぁ。」 「閃いたかい又!すげぇのが?」 「カウンターへもう1度戻って、(大事)でぇじな事を1っつだけ聞いて、 急せぇで皆んなん待っているとこへ向かった、リミちゃんが心配ぇそうな顔 して、”座席は取れた?“その言葉にゃぁお構めぇなく俺ぁ”おいY公、 チョット俺と一緒に来い“訳も解らずあっけに取られてる皆んなを残して、 ヤッパリあほずらしてぇるY公とさっきのカウンターへ戻ったね。 その途中Y公に”おめぇ、俺の言う事聞いてくれるよな?“ 何もしらねえY公は”勿論です、カッツアンの言う事で俺の出来る事なら 何でも言って下さい“ ”よぉし、いい奴だおめぇは、これから2人でカウン ターへ行く、おめぇはハイとだけ答てぇろ、解ったな、“チョイトすごんで見 せたらY公は小さい声で“ハイ、解りました”。"そのめぇに聞くが、オーディ ションはあさってだったな””ハイ、そうです” さぁ、これっからが大芝居ぇだ、ドジッたら後の手はねぇ、流石の俺も フンドシを締め直したね。」 「へ〜っ、カッツアンがフンドシ党だとは今日の 今日まで知らなかったねえ〜・・・、冗談だよ、怒んなよ、それからどしたい、 カウンターへ行ってさ?。」 「パスポートの最ぇ後に行った日と帰国日を確 かめてっから、カウンターのネエチャンに、俺としちゃぁ今まで生きて来た中 で最高に困った顔と最高に情けねぇ顔をミックスしてこう言った。 “実はワタクシ、 昨年の○月×日に年老いたチチに一生に一度は海外旅行をさせてやり たい、ささやかなチチの希望をかなえてやりたい、っと考えまして、 予てからワタクシが案内の御座いますフィリピンへ連れてメェりました。 チチは最初で最後の海外旅行をもう少し楽しみたい、っと申しますので、 向こうの知人にお願いを致しましてワタクシは仕事の都合も御座いますし、 後ろ髪を引かれる思いで○月□日に帰国致しアした次第ェで御座います。 所が昨夜遅く急に向こうから電話が御座いました、何事かと電話に出てみま すと、チチが交通事故に合っちマッタと言うでは有りませんか、大分重体な様 何ので御座います、すぐ来てほしい、っとの事で御座います。 さき程お聞きしましたら満席だとの事、その事をワタクシの友人のY公、いや、 Yさんに話しましたら、「事が事ですから、宜しかったら私の席をお使い下さい。」 とのご親切なお言葉です、 事が事だけにお受けさせて頂きたいと存じます。 如何なものでゴゼェましょう、、事が事だけに、ですから・・・。 こんな事が出来ますでしょうか? 事が事だけに何卒寛大なる御慈悲を頂きたく宜しくお願い申し上げ奉ります” それを聞いたネエチャンは “そうですか、それは大変ですわね、事が事だけに、チョット御待ち下セェ”。 Y公は泣きっそうな顔をしてたねぇ、そりゃあそうだ、あんなに楽しみにしてた フィリピン行きが土壇場で行けなく成っちゃたんだあら、 “カッツアンしでえよ!”ってホントに情けねえ顔ん成っちゃった。」 「大嘘付きだね、おめぇさんは、おめぇのおやっさん、ついこねぇだセント何 んとかちゅう全英オープンやるっとこでゴルフやって来たの知ってるよ。 しかしうまい手ぇ考ぇやがったねえ、あんたホントに悪知恵働かせたら 天下一品だね、ほかの事ぁてぇしたこたぁねえけど。」 「おうおうっ!、誉めてんのかい?、それとも貶してんのかい?まあいいや、 うまくボーディングカードをせしめた俺ぁしょんぼりしてるY公に言った、 “心配スンナ、明日空きが有るってよ、予約しといたから、 ちゃんとさっき確かめて有らぁな”。 やっぱY公だって仕事で行くんだから無碍には出来ねぇじゃあねぇか、そう だろうヨッチャン。」 「な〜るほどねえ、それでめでたし、めでたしって訳か。」 「皆んなん所へ戻ってオヤジに言った、“オヤジ、Y公は明日に変更だ” 又鳩豆の顔だ、隣でY公が泣きながら事情を説明し出した、オヤジは 事次第でぇが解ったらしく、Y公を慰めていたよ。」 「まあ良かったじゃあねぇか、Y公さんは可哀想だが明日行けるし。」 「そうじゃあねえ、それで終めぇじゃあねぇんだ、さっき成田に来る時女の子と 同乗したのが間違げぇだって言ったろう、でもその時きゃぁまだそれに気が (付)ちいて無かったのよ。」 「そうだった!忘れてたぃ、車に同乗したのが間違いって、いってぇ何があった のさ?。 記 1995年5月 |