マスター |
ヨッチャン |
スポ野郎 |
地回り |
リミちゃん |
「そのリミちゃんはな、美人より可愛い部類、背は155〜6、中肉、 目が大きくて笑窪が有る子供っぽい日本的な顔だ、日本に出稼ぎ に来てるジャパユキさんよ。」 「ふん、ふん。」 「ハマリはそのリミちゃんが国に帰ぇる3ヶ月程めぇの10月から 始まった、リミちゃんは2回ぇ目でこれ迄2ヶ月間店でトップの 成績だった。その店ぁ女の子の売り上げ成績によってボーナス を出すってぇシステムだ。」 「ふん、ふん。」 「点数制で、同伴4点、指名2点、場内1点、強制同伴週1回 ペナルティーが−3点、120分制で同伴入店8時、閉店2時だ、 ラストまでいるってぇと3セットで合計点数は8点に成るてぇ勘定だ。 解るかいヨッチャン?。」 「ふん、ふん。」 |
「なんでぇそりゃあ?」 「スポ野朗もリミちゃんにかなり入れ込んでいた、 最初は俺が居る事を承知しながら何とか自分の所へ 引っ張ろうと思って粉かけてたらしいんだ。」 「いつだったかリミチャンが “あの人が色んな物をくれる 貰ってもいいのか?”って聞くから、“全部貰っとけ”って 言ってやった、リミちゃんが物何んかで落ちねぇくれぇ は解ってる。でも何で俺にそんな事聞くのかぁ解らな かった。」 「今度ぁ解った、スポ野朗がとうとう諦めて“憎さ100倍” に走ったって事ったろ?」 「てぇげぇは合ってる、まだチョイト違うのはスポ野朗 がリミちゃんにチョッカイ出そうとして失敗ぇしたそうだ。」 「ふ〜ん、っでどんなチョッカイ出したんでぇ、スポ野朗 は?。」 「ある日俺が行かねぇ事が判ったスポ野朗は、リミちゃん と同伴した。お決まりの食事をした後ボーリングをしに 行く途中でリミちゃんは奴の車の中で寝ちゃった、 てぇんだが、怪しいねこりゃぁ。俺と一緒ん時一度だって そんな事たぁ無かった、よっぽど疲れてたんだろうって 事に成ってるがよ。」 「“成ってる、”ってのはどう言う意味でぇ?」 |
「あっそう、理魅ね、ん〜っカッツアン悪りいけんどそれだけは よそうや、頼むからそれ以外ぇのにしてくんねえ?。」 「何でぇ、てめぇが言ったんじゃあねえか。」 「口が滑っちゃたい、いやね、もし俺に女の子が生まれたら付けようと 思って取っといたんだ。」 「よし!分かった、そん時ん成ったらけえして やらぁな、今だけ貸しとけ、んなら良いだろう?。」 「そんなら良いや。」 「長生きするぜおめぇさんは。」 「なんか言ったか?おぅそうだ忘れてた。」 「何でぇ、まだあんのか?。」 「言っとくけど、理魅の”魅”は魅力の”魅”だ、拘わってんだよ俺、 これだきゃぁ”魅”じゃなきゃ合わねぇや。」 「そりゃ〜無理だな、いくら お前えが好きでも。」 「何でぇ?、どうして何でぇ?」 「考えて見ろやフィリピン人に漢字が読めるか?」 「あっ、な〜る。」 |
「それじゃぁやっぱりトップを取り返すぞぉ、って燃えたんじゃぁねぇか!。」 「俺ぁトップに拘った訳じゃあねぇんだ、だがシンからいつも一緒にいてぇ とは思った、それからぁ他かの店に行く気がしなく成って毎日同伴ラストの 繰りっけぇしだ。リミちゃんもNO1に返り咲きてぇこった。」 「なるほどねえ、ホントにハマッチまったって訳かリミちゃんに。」 「とっ言たって俺ぁとっくに結婚して2人の子持ちだ、どうにも成るもんじゃ あねぇがあれがホントに惚れたって事ったろうなあ、それからその年の 12月にゃぁ31んち全部同伴ラストの記録が出来ちゃった。 馬鹿だったねぇ今考えりゃあ、でも不思議と後悔なんざぁしてねえ。 リミちゃん今頃どうしてっかな〜、もういい年だシジュウはとっくに過ぎて いるはずなんだが・・」 「なんでえ、チョット待ってくれよ、それで終わりかぁカッツアン、何んか スッキリしねぇなあ、続きぁねぇのかい、続きぁ?。」 「続きか?聞きてぇかヨッチャン?、実ぁ面白れぇ事が有ったのよ、 その後。」 記 1999年5月 |
おーい、火事だ、火事だ〜い!! 「おい!ヨッチャン、火事だとヨ!。」 「カッツアン!火元ァどっちでぇ!」 「チョット待ってろ!今聞いち見らぁ、お〜い、火元ァどっちだ〜っ!!」 2丁目の豆腐屋の側だ〜っ!! 「ヨッチャン!ヤベェ!お前ぇんちの近くだ!」 「こいつぁ大ぇ変だ!!、行くぜっ俺ぁ!」 「ってやんでい!俺も一緒でぇ!!」 「そりゃぁ、ありがてぇやっ。」 「おい!ヨッチャン!早ぇくしねぃ!何もたもたしてやんでぇ! 今誰がいるんだ、家にゃぁ!。」 「女房一人と、男の子供が二人と、お袋が一人。」 「バッキャロウ!!こんな時冗談いってる場ぇいか!女房も、 お袋も一人に決まってんだろうが!!。」 「そうじゃぁねぇよぉ、気が動転しちまって・・・。」 |
「カッツアンすまねぇなー、火事で家を焼け出されちゃったぁ 言え、家族全員居候までさせて貰っちゃって、恩に切るぜ 本当に。」 「まあいいやな、困った時きゃぁおてげぇ様だ、 気にすんねぇそんな事ぁ、居たけりゃ一生居たっていいんだぜ ヨッチャン。」 「涙が出るねぇ、持つもなぁ友たぁよく言ったもんだ、じゃあ お言葉に甘めぇて一生お世話になりやす。」 「いいって事よ、その代わり家賃と食い扶持だきゃぁ毎月 つめろよな。」 「何でぇ、ロハじゃぁねえのかい、そんじゃぁ来月出らぁ。」 「なんでぇ、随分とけちだねヨッチャンは。」 「ってやんでぇ、どっちがけちだか分かりゃぁしねーや、 所でカッツアンこんだぁいつ行くんでぇフィリピンは。」 「そうよなぁ、来月の中頃てとこかな」 「カッツアンよぉ、そんなにしょっちゅう向けぇにいってんだ、 浮いた話の1つや2つ有んだろう、話してくれよ、誰にも言わ ねーからサッ。」 「そんなもんねえよ、有ったって話すもんかテメーなんかに。」 「そんな無碍にすんねぇ、フィリピンのかわい子チャンと 何んか有ったってぇネタぁ割れてんだ、そんなに勿体ぶらねぇ で話しちゃえよ、えぇっ?」「おおめぇそんな事何処で聞いたんだ?」 「まあいいや、じゃあ話してやるよ。ありゃぁもうかれこれ25年くれぇ めえの話だ、大ハマリにハマッタ事が有った。」 「ほ〜ら見ろ、ハマッタってぇと、 ヤッパフィリピンのカワイ子ちゃんか?」 |
「そう言うこった、始まりはその子・・・、名めえは〜???、 まあいいや何でも。」 「よかぁねぇよ、ヤッパでぇじだぜ名めぇは。」 そうか、そんならヨッチャンおめぇ女の子の名めぇでどんなのが好き だ?。」 「そうだなぁ、色々有るが朝美ちゃん、何てどうだ?正美ちゃんは? 佳美ちゃん?清美ちゃん・・・。」 「チョット待てよ、どうして皆“美”が 付くんだ?おめぇそんなに好きなんか?」 「おぉよ!いけねぇか?。」 「いけなかねぇよ、そんなのぁ勝手だ でももうチョイトバタくせぇ名ぁねえか?、相手ぁフィリピン人だぜ。」 「バタくせぇ名ね〜、良ぉし、こいつぁどうでぇ、リンダ!。」 「思いっきしバタくせぇけど、俺ぁ嫌れぇだ、その名めぇ、山本リンダ が嫌ぇ何んだよ、それに印象が合わねぇや。」 「なんでぇ、随分贅沢だねぇ、印象何んて俺ぁ合った事もねぇんだか ら解かるもんけぇ、じゃあ真美、恵美、理魅てなぁどうでぇ、もう種切れ だよ、これで。」 「オオ理魅ってのいいね!それにしよう。」 |
マネージャー |
「なにが ふん、ふん。でぃ!解るかって聞いてんだよ!」 「アタボーよ、そんなもん解らぁ、おいカッツアン!、人にものを尋ねる 時きゃその人をよく見てから訪ねるもんだ、何んにもねぇと0点だって 事ったろうが。」 「まぁいっか、お前ぇさんに聞いた俺が悪あった。 今までトップを走っていたリミちゃんが9月の締めでトップから落こった。 新ナンバー1にすげぇスポンサーが付いたんだ、9月の合計点数が 200点近かったそうだ、それ迄コンスタントに150点を維持してぇた リミちゃんはアッサリと抜かれちまったってこった。」 「なるほど!それでカッツアンはトップ奪回に燃えたって次第ぇだね!!、 こいつぁ面白くなってきゃがった!。」 「チョイト違うんだなぁそれが、そのスポンサー、って奴つぁ店のオヤジ の古い友達、俺も満更知らねぇ奴でもねぇ、俺のいねぇ時、見図らっちゃあ リミちゃんを呼んでたてなぁこっちゃあ百も承知之助だぁ。」 「それじゃあ、そのスポ野朗に気に入った子が出来て乗り換えたって 訳か?。」 「それとも違うなぁ。」 「それもチャウって、いってぇどう言うこったい、カッツアン?。」 「ん〜、こらぁリミちゃんから直接聞いた話じゃねぇんだが、良く言ゃあ “可愛さ余って憎さ100倍”悪く言ゃあ只の“逆恨み”だ。」 |
「見ちゃいねえからハッキリとした事ぁ判んねえが、 食事の時がどうも怪しいと思うね、リミちゃんと俺ぁかれこれ一年 位ぇの仲だが、お客の車で寝むりこけちゃう様な子じゃぁねぇ事 ぐれぇ知ってる。」 「じゃぁ、奴ぁ食事の時何んか仕組んだか?。」 「奴に直接聞いてみなヨッチャン、出来ねぇだろう?、そん時俺も 出来なかった。リミちゃんが眠りこんだと見た奴ぁ、突然ホテルへ 車を突っ込んだ、こらぁ見ちゃあいねぇがてぇげぇ見当付かぁ。 その時慌ててたんだなあ奴ぁ、道路の段差か何んかだろう、 ガタンという大きなショックでリミちゃんが目を覚ましちゃった。 事情が解ったリミちゃんは大声出して叫んだ、野朗はしょうがねぇ から諦めたってこった。 リミちゃんに色々聞いたんだがスポ野朗の事は最後までこれポッチ も言わねぇ、全部Y公から聞いた話よ。」 「えげつねぇ野朗だねえ、そのスポ野朗、それでカッツアンとドン パチかい?。」 「冗談いっちゃいけねぇや、そんな事で喧嘩したってどう成るもん けぇ。スポ野朗の話じゃあ、リミちゃんが食事のあと気分が悪く なって寝ちゃった、可哀想だからゆっくりホテルで寝かしてやろうと 思った、だとよ。 笑わせやがらぁ、チャンチャラ可笑しくって涙が出らぁ、勿論、どう して何も言わなかったんだ、とリミちゃんに聞いたよ、俺に言うなぁ 気が引けた、言って気分を悪くさせるのも嫌だった、もし喧嘩にな ったらてぇ変だし俺に誤解されるのもいやだった、だから言えな かったてんだ。それぇ聞いて何とか守ってやりてえと思った、 それからだよハマッて行ったなぁ」 |
主な登場人物 |
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カッツアン (実は私です) |
途轍もねぇ古ぃ話なもんで、写真がありゃせん、 しかしこんイラストぁ下手な写真よりず〜っと 本人に似てやす、わっしなんぞ本物と間違げぇた 位れぇでありやす。 |
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