俺ぃらの幸せが・・・
もう疲れたからこの続きはこの次にすっかヨッチャン。」
「冗談言っちゃぁいけねえよカッツアン、尻っ切れトンボで話を終わらし
ちゃぁどうにもならねぇや、連続テレビドラマなら諦めねぇって事もねぇ
が、目の前めぇに本もんがいるんだ、これからねた明かし、ってとこで
殺生すんねえ。」 「そんじゃあいくら出す?。」 
「なんでぇ、金とんのか?」

「嘘だよ、それこそ冗談だよヨッチャン。パレの言う事にゃあ“ボス、この
事は他言無用だ”。ヨッチャン、断ぁっとっけどパレぁ日本語なんか出来
きゃぁしねぇよ、全部タガログだ、お前ぇさんにゃぁ解んねえだろうから
日本語に訳してやってんだ、それともタガログ語で話そっつか?なっ、
ヨッチャン。」 

「カッツアン、何もったいぶってんでぃ、そんな“事当たりなんとかクラッカー
”だ、先に進むんがいやなんかい?、それとも何けぇ?俺に恨みでもあん
のかい?」「解あったよ、いまさら死語使ってどうすんでぇ、もう誰も知りゃぁ
しらねえや、そんなクラッカー、お前ぇのためぇ思って言ってやらあ、間違っ
ても女の子の前でそんな事言うんじゃぁねぇぞ、二度と口聞いてもれぇなく
なっから。

パレの話の続きだ、“誰にも喋っちゃあいけねぇ、もし喋ったらボスが危なく
なるかも知れねぇ”てな物騒な事を言いやがる、そして“さっきボスがベラン
ダに出てた時俺ちゃぁばらばらんなってあの男を見てた、ちゅう事ぁあの男
も俺達が見えるって事った。

”、半パゲギドが話を引き継いだ“俺が居たなぁあの男んいたビルの丁度下
当たり、ボスもベランダの隅に行きゃぁ覗けるとこでい、そこにゃぁ変な男達
が何人もいた、集まるわけでも散らばるわけでもなくだ。

その中に俺の知った奴がいた、それで解ったんだがありゃぁヤクの売買だ”
あっ!、なぁる程、これで全て読めたね俺っちぁ、5階けぇの男ぁ見張りだ、
俺じゃあなくって取引に邪魔ぁな人間がいねぇかどうかの見張りだったんだよ、
手を振ったんと俺っちが家に入へぇていったんは偶然の一致じゃあなくって
やっぱり俺っちを見張ってたって訳だ、5人も近っくでウロツイてりゃぁ合ぇ図を
送れねぇのも解るってもんだ、今日の取り引きゃ中止ってこった。」

「なるほどねえ〜、そんな事ぉ近っくでやってたんだねぇ、おっかねえとこだ
ねえ、ところで何んであの時間なんさ?、暗え方が目立たねえじゃねえか?。」
「ヨッタロウ!!よく考げぇてみろぃ、暗くて何も見めぇなあったら見張りの役が
たたねえじゃねえか?、明かりっ過ぎるんのも暗っ過ぎんのも駄目、人が沢山
居る時間も駄目、そんでもってあの時間ってこった。」

「ナ〜ル!、そのあとどう成ったい取引きゃぁ?続いていたんかい相変わらず」
「パレの言う通りどっかほかけぇショバ換げぇしたようだな、俺っちのささやかな
幸せの時間も戻って来たって訳だ。」「良かったじゃあねえか、でも誰にも言っ
ちゃあいけねえんだろう?喋っちゃったじゃあねえか。」

「おおよ、喋ったよ、4年も5年も前めぇの話を、そんで聞いたヨッチャンは
どうすんでぇ?、えっ?、どうすんでぇ、ヨッタン?。」
「そうかあ、俺じゃあどうしも出来ねえや。でもカッツアンの家の周りは危険が
いぺえだね、すげえとこに住んでたもんだ、しかも3年もよ。」

記 2007年5月
ギョロ目のビボット
お帰りになる前に   是非お立ち寄り下さい!!
あの当時は白髪なんて無かった
時の流れの速さを感じます
当時は確か2000年頃、あれからもう
7年も経ってしまいました。
こいつだけは当時と変わらない
上の図のDの位置から見る
至福のトワイライトタイム
W-グループ
W-グループ リーダー
     パレ
飛ばしやスティーブ
チョイデブのトン
半パゲ ギド
「それからってもんはその事が頭っから離れねえ、もうゴルフどこじゃぁねえ、
幸せを味わうんのもおあずけだ、俺ぁ仲間に相談してみた、これこれこう言
う訳ぇで尋常じゃぁねぇ様だ、どしたらいい、ってね。」「うんうん、そんでどう
してぃ?」 「奴らが言うにゃぁ、明日同じ時間に同じ様にベランダへ出て同じ
様に家に入へぇってくれ、って事った。

おれは次の日同じ時間にコーシーを持ってベランダへ出た、仲間ん姿ぁ探し
たが見あたらねえ、まだ来てねえのか?、俺ぁチョット不安に成った、向こう
のビルは・・・、って見るとヤッパリいたあの男っちだ。早ぇとこ家に入りてえ
衝動を抑せぇて10分てえ長ぇ時間をどきどきしながら待った。

そしておもむろに、多分はたっからぁ急せぇで見えたかも知んねぇが本人ぁ
そんつもりで家に入へぇった、鍵なんか掛ける必要も無ねぇんのに鍵まで掛け
て窓の隙間っから男が手を振るのを見た・・・、あれっ、振らねえ、今日はなぜ
っか手を振らねえ、今んまで1度もこんな事はなぁった。

男はじ〜としてるだけだ、何分ぐれえしたか急に踵を返けぇす様に男っちが消
えた。狐につまんまれたようで(全)ったく訳が解んねえ、そんなこんなしてぇる
とドアを叩く音、(場合)べぇぃがべぇぃだけにビクっとしたがすぐに仲間の奴ら
だって事が解った、ヤッパ来てくれたんかたぁ思ったが今日はチョット遅かった。

ドアを開けて奴らを入れた、常にドラコンを取る痩せて背ぇが153センチしかねぇ
スティーブ、でもなんでこんなチビがあんなに飛ぶんだ、俺っちぁこいつのショット
を見ねえ事にしている、自分が情け無く成るからだ、日本にも何回けぇか行った事
があるチョイデブのトン、半パゲのギド、目がやけにでけぇギョロ目のビボット、
それにパレの5人だった。
当時は半パゲだったが、
今は全パゲ
最近はこいつも爺むさくなりやがった
Wグループ登場
知らねぇ方が身の為だ
ヤッパ俺っちは見張られてる!!
フィリピン江戸っ子談義
<<第四」章『覚醒剤取引現場』>>
遅かったじゃぁねえか、っとさっきの事を話そうとすっと、“ボス”パレが俺の話を
切るように口を開れぇた、“もうあの時間にゃぁベランダには出ねぇ方がいい”、
って言いやがる、冗談言うねえ俺っちの幸せが・・・、と思ったが言う事をきかねえ
訳にはいかなそうなんだ、なぜなんでぃ、と聞きっ返けぇすと、チョット困った顔を
してパレがほかん仲間の顔色を伺ってやがる、ますます解らなくなった俺はもう
一度なぜだと聞いた、するてぇとパレぁ俺っちが思ってもいなかった様な事を言い
出しゃがった、。

“ボスは何にも知らねえ方がいい“、ポカンとしている俺っちを見てこう続けた
”少ぉし時間をずらしてもらう訳にゃぁいかねぇか?3時頃か、じゃあかったら7時
頃はどうでぇ?、そん時間ならあいつらぁいねえ“、尚も続く・・・。
”もしかすっと近々あいつらぁ居なくなるかも知れねえ、そうすりゃぁいつでもボス
の好きな時間にベランダへ出られる“って事を言うんだ。

こいつらの言う事に間違げぇがねえのは鼻から解っっちゃぁいるが、そう言われ
りゃぁ尚更聞きたくなるのが人間てえもんだ、解った、お前ぇ達ん言う通りにする、
でも理由だきゃぁ教えてくれ、じゃあねぇと気持ち悪くってしゃぁねぇ、夜だってそ
の事ばっかし考げぇて寝られやしねえ。おめえ達それともなにか、ゴルフ場で
俺っちが寝不足でふらふらしてっとこにボールが当たって、しかも当たりどこが悪
くて死んじゃってもいいってのか?。

っと訳のわかんねえ事をまくしたてると、ドラコンスティーブが俺っちが死んだら
損すると思ったんだろう、頭のいい野郎だ!。
”パレ、言ってやってもいいんじゃあねえか”、パレはしょうがねぇなぁって顔して
信じられねえ様な事を話だしゃがった・・・・。
でもねヨッチャンヤッパ俺っちも人間だ、習性ちゅうもんがあらぁね上を
注意しねえなぁ同んなじだったぃ、有る時何気げんなく遠くの上を見る
てぇとね、まあ、100メートルつ位れえ先んの5階ぇ建てんビルの屋上
だが、こっちを見てる男っちがいるじゃぁねえか。

最初は気にしねえ様にしてたんだが、毎んち何でぃそれが、きっと俺っち
が気がっ付く前ぇっからでぇありゃあ、でもよヨッチャン、確かめたんだが
不思議な事つに朝も夜もその男(達)たっちぁいねえ、俺っちが幸せを味
わっている時ん限ってんだ、なんか気持ち悪あったねえ。

色々考えて俺ぁ有る時試して見る事にした、ホントぉに俺っちを見張って
いるのか、それっともただの勘違げぇなのかを、だってそうじゃぁねえか
考げぇても見ねぇ、落ちっ着いてコーシーも飲めやしねぇ。

俺ぁいつものようにベランダでコーシーを飲みなぁら体だきゃぁ思いっきし
リラックスしてるような振りぃしていだ、そして急に家の中けぇ入へぇて窓
からそいつ達ん様子を見てぇた、ってぇとヨッチャン、しとりん男が手を振る
んでぇ、もちろん俺っちにじゃぁねぇ事ぁ解ってる、じゃあ誰にだ????。

手ぇ振ったなぁ偶然の一致って奴じゃあねぇか、と次ん日もう一回けぇ試し
たんだがおんなじだ、ヤッパリ俺っちが家に入へぇるとあの野朗が手を振
る俺っちがベランダに居る時きゃぁ決して手なんか振りゃあしねえ、その時
思ったんだ“ヤッパ俺っちは見張られてる!!”てね。」
「どしてカッツアンが見張られていたんか解んねえんか?、そいつぁいい心
持ちぁしねぇなぁ」
「ドドン事件もしと段落付いたあるどんよりした昼下がりの事った、
ヤッパ俺っちは見張られてる!!
その時確信ってやつぉ持ったね、でもいってぇ何でだ、よそ者ん
だからか?日本人だからか?やっかみ?ねたみ?
恨みを買うような事たぁ・・・・いっくら考げぇても解んねえ。」
「見張られてるってか?誰にでぇ?、何があったんでえカッツアン?」

「そん頃の俺っちの生活パターンはっちゅうと、毎週しとっ組位れえ
日本からお客が来るんだが、ほとんどはゴルフが目的の客だ、でも
たまにゃぁ違げぇんのもいる、スキューバダイビングやパラセーリング
なんかの海関係の客だ、全く夜だけの客もいた、っと様々だってぃ。

普段ぁ朝6時っ頃家を出る、客とコースを一回ぇりしてっから夜の接待
の為ぇに一旦家に帰けぇって昼寝をする、これが2時っ頃だ、目が覚
めるなぁ5時、トワイライトタイムって頃だぜヨッチャン、分かっか?
トワイライトタイム?。」 「ってやんでぇ、たまに英語なんか使けぇや
がって、そん位れぇ知ってらぁ俺だって、そりゃぁ・・・・」
「まぁいいや、明日まで考げぇてな。

外たぁまだ明りぃや、それっからぼけ〜とベランダで一休み、コーシー
何んかのみなぁらだ、この時間が何とも言えねえ大ぇ好きなんだ俺ぁ、
何かこう幸せなんだ、ヨッチャンにゃぁ解んねえだろがよ。

人間てやつぁ面白いね、ありゃあ習性ってやつかね、自分の前ぇ後ろ
は注意するけんど上にゃぁ気がいかねえ。
下のあぜ道を通る奴らは3階のベランダから俺っちが見てるのを
知らねえ、カップルなんか大胆にイチャイチャしてんのをよく見るし、
リヤカー引いた物売りのちょっとした隙を見て俺っちの見てぇるのも
知らねぇでネコババするやつもいる、どこでもかしこでもションベン
しようとする奴が多いのにゃぁ困るが、その時きゃぁ大きな咳払いを
1発カマシチヤル事にしてぇる。